【弁理士】免除制度の甘い罠


受験生の皆様。こんにちは。

新緑が美しく、空気も清々しい季節ですね。
初夏の季語に「風薫る」という素敵な言葉があります。
風が若葉の薫りを運んでくれるということですね。
私は今回初めて、受験生一年目の基本講義を担当することになりましたが、
若葉のように初々しく勢いある受験生と接することができ、お陰様で今年は格別な「風の薫り」を満喫しています。
この感動を忘れることなく、皆様と共に最終合格への道を歩んで行きます。

法律系ブログ弁理士。第6回目。

今回のテーマは
「弁理士試験の免除制度の甘い罠」
です。

第5回では弁理士試験の免除制度についてお伝えしました。
今回は、この中で、
必須科目(短答式試験)免除制度に潜む意外な落とし穴
についてお伝えします。

1. 一見手堅く見える短答式試験免除制度
前回お伝えしたところの復習になりますが、短答式試験は一度合格すると、2回免除になります。
つまり、
「短答式試験に合格した年の次の年、その次の次の年の短答式試験シード権獲得」
→ということは
「短答用の勉強をしなくてすむ☆」
ですよね。
だから、シード権獲得した年は、
「短答式試験からの受験生より圧倒的に有利か?!」
のように思えます。

2. 短答式試験と論文式試験の関係
〈短答式試験〉
・試験会場では何も貸与されません。
・条文を正確に理解し記憶しているかを問われています。
〈論文式試験〉
・試験会場で条文が貸与されます。
・条文の内容はきちんと把握できていることが大前提で、その条文を事例問題等に対応する際にうまく使いこなせる力を問われています。

3. 論文式試験で問われている力の真髄とは?
確かに短答式試験免除であれば、短答式試験で問われるような条文の細かい規定など覚えなくていいですよね。だって、それは貸与される条文で見ることができるから。
だから、条文の内容はいざとなれば、試験会場で貸与される条文集でチェックすればいい。
条文の勉強はもう卒業。
免除時代でやるべきことは条文集に書いてないこと。例えば、判例、青本の内容、審査基準、学説などなど。ここに磨きをかけて、短答式試験からの受験生と圧倒的に差をつけ、華々しく上位合格を狙う。
これが多くの短答式試験免除受験生の考え方です。
でも、この発想は本当に危険です。
短答式試験、論文式試験、口述試験。それぞれアウトプットの仕方が異なっていても、この試験は全て、特許法等の法律に関する「条文」の試験です。
問われているのは「条文」の力。つまり、
「条文力」

です。

4.短答式試験免除制度導入後の試験傾向
短答式試験免除制度導入は平成20年でしたが、その年から試験傾向は大きく変わりました。
平成20年までは、短答式試験と論文式試験では、出題される内容の棲み分けができていました。
しかし、免除制度導入後は、短答式試験と論文式試験の出題内容の垣根がなくなっています。
つまり、条文の理解や知識に穴を作ってしまうと最終合格には到達しないのは、免除制度導入前後で変わらないのです。
「短答式試験が免除になっても、きっちり条文力強化に取り組んで欲しい。」
というのが特許庁からのメッセージです。

5. まとめ
短答式試験が免除になったとしても、論文の受験科目となる主要四法(特許、実用新案、意匠、商標)は、短答式試験合格に向けた勉強、
(ア) 条文の読み込み
(イ) 過去問題を解く
(ウ) 答案練習会や模擬試験で実力チェック。
つまり、条文力強化とメンテナンスは絶対怠らないで臨まなくではいけないです。
条文から離れれば、合格から離れ、次のステップの論文式試験、口述試験の合格はないです。
このことに気が付かす、論文に特化した勉強に走り、あっという間に短答式試験免除期間が切れ、振出に戻る方は大勢います。
また、来年短答式試験からスタートする受験生が短答免除の方より断然不利ではないのです。
短答からのスタートする受験生の論文は、条文に即していて無駄がなく、高得点獲得する場合もありますよ。
短答式試験受験からの方は、心配無用で攻めまくる。
短答式試験免除の方は、実力維持をしつつ、条文力に磨きをかける。

どちらにしても、この試験は、しつこいようですが
「条文力」
で合否が決まるのです。

 では次回は、受講生からのお問い合わせ殺到の
「基本講義のお勉強ってどこまでやればいいの?」についてお伝えします。