【弁理士】
「新規性喪失の例外とパリ条約との関係等」


弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。

7月下旬頃になると花火大会の時期になり、街中浴衣を着た方でいっぱいで、華やかになりますね。見ている分には涼しげですが、あれって、実は着ている方は暑くて大変なんですよね。暑い中、長袖ロングスカートですからね。
ところで、浴衣は昔、内衣布で沐浴するための衣とされていて、複数の人と入浴する機会があったため汗取りと裸を隠す目的で使用されたものでした。
今ではすっかり、夏を彩るファッションとなっています。
時代によって、これが常識、というのは大きく変わってしまうものなんですね。
知財という、形のない概念であれば一層その傾向が強いので、そこにうまく切り込んでいけばビジネスチャンスがいっぱいかもしれませんよ。
例えば、「この発明は権利化して利益になるかな?」と思うものでも、切り口を変えたり、時代が変わると、業界を激震させる画期的なものとなるかもしれません。
「このお仕事は弁理士の管轄外でしょ?」と思われているものであっても、働き方次第では、「弁理士ありかも?」になる可能性もあります。
未来に向けて、みなさんの力で、「知財の世界」を切り開いていきましょう。

今週は、「新規性喪失の例外とパリ条約との関係等」についてお伝えします。

1. 元々はといえば・・・・
実は、特30条などはパリ条約11条の仮保護について日本の法律で実現している保護の形なんです。
パリ条約11条はというと、博覧会出品により新規性を喪失してしまったことによる保護なんですよ。
このことは、今の特許法だとわかりにくいけど、先週のお話で、平成23年改正前は、ある限定した理由のみで新規性喪失した場合、例えば博覧会出品とか限定した理由でなければ特30条の適用にならなかった。とお伝えしましたよね?
そう、まさにこれです。
パリ条約11条の仮保護は、どんな形でもよく、特許法等では新規性喪失の例外ですが、商標法では9条で、出願時の特例としてその出品のときに商標登録出願したものとみなすことになっています。商標はそもそも、新規性ってないですよね。商標法で保護するものは新しいものでなく、「業務上の信用」だから、寧ろ古いものほど価値があるノリですもんね。

2.新規性喪失の例外の適用:パリゆvs国ゆ
優先権主張出願といえば、パリゆ(パリ条約による優先権主張出願:特43条)と国ゆ(国内優先権主張出願:特41条)がありますね。
この2種類の優先権が絡むもので新規性喪失の例外適用の手続きをする場合、特30条1項及び2項の「その該当するに至った日から6ヶ月以内にその者がした出願」の「出願」とは、「優先日」等とかでいいのか?どっちでしょう?

正解は、
・「国ゆ」であれば先の出願の日
・「パリゆ」であれば優先日でなく日本での出願の日
となります。

理由は、
「国ゆ」の場合、「国ゆ」の効果として特41条2項に列挙されている条文は
先の出願のときにされたものとみなされますが、その条文には特30条1項及び2項も列挙されているので、新規性喪失の例外の適用については「先の出願の日」が基準となります。つまり、公知になった日から「先の出願の日」まで6ヶ月以内であれば適用を受けることができますよ。

でも、「パリゆ」の場合、特41条2項のような規定はありません。だから、公知になった日から日本に優先権主張出願した日までが「6ヶ月以内」でなければ適用を受けることができません。かなりタイトなスケジュールになってしまいますね。
「パリゆ」の場合は要注意。


 次回は、「実用新案登録に基づく特許出願とその波及効果:その1」です。
 お楽しみに。