【弁理士】
「実用新案登録に基づく特許出願とその波及効果:その3」


弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今週も引き続きは、実用新案登録に基づく特許出願についてです。「実用新案登録に基づく特許出願とその波及効果:その3」についてお伝えします。今週は主に、実用新案登録に基づく特許出願をできる時期的制限規定するについてですよ。
 以下の各号の場合、実用新案登録に基づく特許出願ができないですよ。一度登録した後、出願状況にするのですから、かなりきつい制限がかかります。

1.特46条の2第1項1号
 実用新案登録に係る実用新案登録出願から3年経過後
 理由は、
 ①審査請求期間の実質的な延長が可能となるため、審査請求期間を7年から3年に短縮した趣旨を実質上没却させることになる。
 ②実用新案登録出願から特許出願への変更においても出願から3年の制限がある。
   (青本特46条の2)
  特許出願に乗り換えるので、出願審査請求制度を利用するにあたり、通常の特許出願と平等に扱えるようにしておかないとね。
  あとは、似ている制度として、実用新案登録出願からの変更とも合わせておくことも大事ですよね。

2.特46条の2第1項2号
 その実用新案登録に係る実用新案登録出願又は実用新案登録について実用新案登録出願人又は実用新案権者から、実用新案技術評価の請求があったとき
 理由は、
 二重審査を防止するため
 (青本特46条の2)
 実用新案技術評価の請求って、審査官が審査するし(実12条4項)、実用新案登録に基づく特許出願するなら、出願審査請求(特48条の2)を間違いなくするでしょう。
 特許出願の審査も審査官しますよねー(特47条)。
 そうすると同じ人の同じ内容を二重に審査してもらうことになり、それは審査官には申し訳ないですよね。審査官だって、お忙しいんだから、

3.特46条の2第1項3号
 その実用新案登録に係る実用新案登録出願又はその実用新案登録について、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者がした実用新案技術評価の請求に係る最初の通知を受けた日から30日を経過したとき
 理由は、
 ①他人による技術評価請求の場合、評価請求後直ちに実用新案登録に基づく特許出願ができなくなるのは出願人又は権利者に酷
 一方
 ②出願人等が他人になりすます可能性もある。
  (青本特46条の2)
他人による評価請求を長期間可能とするのは適切でないですね。

4.特46条の2第1項4号
 その実用新案登録について請求された実用新案登録無効審判について、最初答弁書提出指定期間を経過したとき
 理由は、
 ①実用新案権の有効性の判断が可能なところまで審理が進んだ段階で同一技術について新たな特許出願をすると、請求人の負担が無に帰する可能性あり。
 ②新たな特許出願が設定登録された後にその特許権について無効審判請求がなされると、同一の技術について二重の審理がなされる。
 (青本特46条の2)
 実用新案権については無効審判において権利者が答弁書を提出してしまったら、審判請求人は応戦体制に入り、戦う構えでいるわけですよね。それなのに特許出願に乗り換えてしまったら、請求人の努力が報われなくなって可哀そうですよね。
 しかも、実用新案法においても無効審判が請求されるようであれば、特許法でも無効審判は請求される可能性は高いです。そうすると、二重に無効審判請求され、二重の審理になりますよね。審判件数も多いので、同じ技術についてダブルで審理している場合ではないんです。

 次回は、「実用新案登録に基づく特許出願とその波及効果:その4」です。
 お楽しみに。