【弁理士】
「実用新案登録に基づく特許出願とその波及効果:その5」


弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今週も引き続きは、実用新案登録に基づく特許出願についてです。「実用新案登録に基づく特許出願とその波及効果:その5」についてお伝えします。今週は、実用新案登録に基づく特許出願の波及効果について、更に深みにはまっていきます。

1.実54条の2第2項、3項
 実39条5項
の通知を受けた日から30日以内に審判請求取下げした場合 (実39条の2第3項等) 、審判請求手数料は審判請求を取り下られた日から6月まであれば、「請求により」返還される。

 理由は、
 ① 無効審判請求後に実用新案登録に基づく特許出願が行われた場合、その無効審判は権利行使できない消滅した実用新案権に係る実用新案登録に対するものとなる。
 ② 同一技術の特許出願が新たに係属することから、請求人の実用新案登録を無効にする利益は大きく減少することとなる(青本実54条の2)。

無効審判はそれなりにお金も時間もかかるお仕事。だから、その見返りっていう点を考慮したとき、無効審判で消滅できる権利は設定登録から実用新案登録に基づく特許出願により放棄して消滅するまでの権利。しかも、そもそも放棄で消滅してしまった権利だから、この権利に基づいて差止め請求はできない状態です。そんな権利を遡及消滅するのに審判で戦う必要あるかな?
また、権利者は実用新案権を放棄して特許出願に乗り換えているわけで、実用新案権を無効にしたところで、相手は痛くもかゆくもないでしょうし。 それなら、無効審判は取り下げる方が余程の事情がない限りお得ですよね。そこで、本規定で、その「おススメプラン推奨」ということで、取下げも認め、さらに一定期間ないなら手数料返還もできることにしてます。
審判請求人の身勝手な事情での取下げではないですからね。

2.実54条の2第4項等
審判の参加人が 実39条5項 の通知を受けたときは、通知を受けたときから30日以内に参加の申請を取り下げ可能。

参加人も、実用新案権が放棄されて消滅するなら、審判参加の意味合いも微妙になってきますからね。
通知から30日の期間は、特4条の延長もできるし(実54条の2第5項で特4条を準用)、不責事由の追完もありますよ(実54条の2第6項)。

3.実54条の2第7項
 実54条の2第4項等
の参加の申請を取り下げられた参加申請手数料は、取り下げられ日から6月まであれば、「請求により」返還される。
ここで、
「実39条の2第3項から5項、そして、実54条の2第2項、3項まで」

「実54条の2第4項から7項まで」
を見比べてください。

二つとも、
① 「実39条5項通知から30日以内に取下げ」
② 「特4条延長」
③ 「不責事由の追完」
④ 「取下げられた日から6月までの手数料返還請求」

4点セットの流れです。

条文が入り乱れているし、実39条、39条の2、54条の2と飛んでいるので、内容が追いにくく、ここを苦手としている受験生が多いです。だからこそ、こういう条文は試験で出題されやすいのです。
このように、ある一定の規則性がわかると、覚えるべき情報量はかなり圧縮できます。規則性さえつかめば怖いものなしです。


 次回は、「実用新案登録に基づく特許出願とその波及効果:その6」です。
 お楽しみに。

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