【弁理士】「消尽3点セット」を攻略その4


弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今週は「消尽3点セットを攻略:その4(「インクタンク事件」)」についてお伝えします。

今回は国内での譲渡なのですが、
「特許権者から特許製品の譲渡を受けた。まではいいのですが、それを修理・再生・加工しても消尽、そして、その後修理等したものを譲渡等する行為も侵害ではないのか?」
このことについてお伝えします。

ではまず、ちょっと復習ですが、
「特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者がわが国において特許製品を譲渡した場合には、当該特許製品について特許権はその目的を達成したものとして消尽する。」 ですよね。
だから、特許権者から特許製品を購入し、それを転売する行為は特許権侵害にはなりませんね。

では、特許製品を購入したのですが、それを加工や部材の交換をして、それを転売したらどうなるでしょう?

「特許権者から特許製品を購入し、それを転売する行為」については、「その特許製品」については、特許権者は譲渡したときに譲渡対価を受けているので、その後譲渡の度に対価を受け取るのは「流通過程において二重に利得を得ること」になるから、「それは特許権者を守りすぎ」ということで、その後の「その特許製品」についての使用、譲渡等には効力が及ばない。となっています。
でも、特許権の効力が及ばないのはあくまで「その特許製品」であって、「特許権者から譲渡を受けた「「その特許製品」」ではない製品」には特許権の効力は及びます。
だって、「特許権者から譲渡を受けた「「その特許製品」」ではない製品」に対してだったら、「流通過程において二重に利得を得ること」にはならないでしょ?

つまり、
「特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められる」製品を譲渡等したら消尽しないので、特許権侵害となってしまいます。

では、「同一性を欠く特許製品が新たに製造」に該当するかどうかはどうやって判断するのでしょう?
それは以下を総合考慮して判断します。

1. 当該特許製品の属性
2. 特許発明の内容
3. 加工及び部材の交換の態様
4. 取引の実情等


たいしたことないような加工なら大丈夫な可能性ありですね。
でも「新たな製造」となってしまうような加工なら特許権侵害になりますよ。
というのが「インクタンク事件」(最高裁平成19年11月8日判決)です。

この判例は平成21年、平成26年の特許法で出題されています。
今後の出題の可能性も高いですよ。


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