【弁理士】
「富士フイルム、DHCに対するアスタキサンチン特許侵害訴訟」

 

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弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今回は今年の8月30日の東京地裁の特許権侵害訴訟において判決が出た事件
「富士フイルム、DHCに対するアスタキサンチン特許侵害訴訟」
についてお伝えします。

テーマは
「動向気になる~。美の追求を巡る熾烈な戦い」です。

「富士フイルム」といえば、写真フイルム事業の企業ですよね。
でも、男性の方はもしかしてご存知ないかもしれませんが、
「富士フイルム」の「アスタキサンチンを含むスキンケア化粧品「アスタリフト」」が大ヒットしたんですよ。

これは
「分散組成物およびスキンケア用化粧料並びに分散組成物の製造方法」で特許権取得しています(特許第5046756号)。
松田聖子さんと小泉今日子さんを起用したテレビCMでヒットしたのですが。それならイメージ沸きますか?

一方、安くて高品質化粧品を多く世に送り出した化粧品メーカー「DHC」も
アスタキサンチンを含むスキンケア化粧品「DHC アスタキサンチン ジェル」等を販売しました。
CMには叶姉妹を起用し、「富士フイルム」の「アスタリフト」の3分の1の価格でこれも大ヒット。
ここで、もし「富士フイルム」の特許が無効になれば、特許権侵害を免れるので、「DHC」は「富士フイルム」の特許について無効審判を請求しました(特123条)。

一方、特許権取得した「富士フイルム」が「DHC」に対し、特許権侵害訴訟を東京地裁に提起したのです。

「DHC」が請求した無効審判と「富士フイルム」の侵害訴訟とが同時に係属したのです。

そんな中、先に決着がついたのは「DHC」が請求した無効審判で、「DHC」の請求は認められず、「富士フイルム」の権利は有効との審決が出てしまいました。

  では、同時進行していた「富士フイルム」の特許権侵害訴訟はどうなったかというと、これが今年8月30日に判決が出され、棄却判決。
  つまり、「富士フイルム」の「DHC」への差止請求は認められませんでした。
  そして、理由が「富士フイルムの特許には無効理由があり特許性がない」というものでした。


・「DHC」が請求した無効審判では特許庁で「富士フイルムの特許には無効理由がなく特許性ありで有効」との判断?
・「「富士フイルム」の「DHC」への差止請求訴訟」では東京地裁で「富士フイルムの特許には無効理由があり特許性がなく無効」という判断?

 あれ?同じ権利内容なのに
特許庁と東京地裁で判断が食い違ってない?

 特許庁の審決に納得いかない「DHC」は、知財高裁に「審決取消訴訟」を提起、現在抗争中
 一方
 東京地裁の判決に納得いかない「富士フイルム」も知財高裁に控訴するとしています。

つまり、別々のところで争っていた両者の争いが知財高裁でうまく集約され、最終判断がなされます。

両者のアツい戦いですね。
「特許無効審判(123条)」や「侵害訴訟」、「審決取消訴訟(178条)」特許法で学んだものがこの両者間の抗争で勢ぞろい。
実際の事件で法律がどのように活用されているのか見ていくと法律ってイメージしやすく理解できますね。

今後の動向がすごく気になります。
動きを追っていきましょう。