【弁理士】
「マドプロアレルギーを克服:その3」

 

 弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今回のテーマは「マドプロアレルギーを克服:その3」です。先週の続きです。

 今回も前回に引き続き、第2節の国際商標登録出願についてですが、条文の規定がイメージできなくて質問が多いものについてご説明します。
 
1.国際登録の国内登録への代替(商68条の10)

 この規定は質問件数No.1です。
 すごくイメージしにくいですよね。
 だって、日本の本国官庁にしている場合は、日本を領域指定してはいけないわけでしょ?
 なのに、国際登録出願で日本指定していて、さらに国際商標登録出願前に日本での国内登録がある?って状況がそもそもなんで存在するわけ?というご質問です。
 ですよねー。すごくわかります。
 これは、極めてレアケースを想定しています。
日本以外の例えばイタリアで、イタリア人が出願し登録され、それとは別個にそのイタリア人が日本で同じ内容で出願しそれが登録されました。そしてその後、イタリアでの登録を基礎登録として国際出願してその出願は日本を領域指定していた。というケースなんです。
 そして、日本に直接出願し登録したものが「国内登録に基づく登録商標」です。

 この規定では登録商標は「同一」、指定商品等は「重複」、商標権者は「同一」というのがポイントです。

2.パリ条約等による優先権主張の手続の特例(商68条の15)

 これも質問多いです。
 商68条の15第1項には「第13条第1項において読み替えて準用する特許法第43条第1項から第4項まで及び第7項から第9項までの規定は、適用しない。」って記載されているので、 「これって、つまり、パリ優先権主張手続きができないってこと?」というご質問です。
 これもお気持ちわかりますが、違いますよ。
 通常の商標登録出願では、日本を主張国としてパリ条約優先権主張する場合は、「第13条第1項において読み替えて準用する特許法第43条第1項等の手続きをしなくてはいけない」ってことになっていますが、これをしなくてもいい。ということです。
 なぜかというと、議定書4条(2)では、パリ条約上での主張国での手続きについての規定「パリ条約4D」の手続きを要しない。と記載されているからですよ。
 だから、日本での出願と同時に「パリ条約の同盟国の国名と出願年月日を記載した書面」の提出をしたり(第13条第1項において読み替えて準用する特許法第43条第1項)、出願日から3月以内に優先権証明書を提出したり(第13条第1項において読み替えて準用する特許法第43条第2項)をしなくても、パリ条約優先権主張出願できる。ということです。
 でも、黙っていても、パリ条約優先権主張したいことを察してくれるわけではないですよ。国際登録出願の願書にその旨記載する箇所があります。そこで意思表示をしないといけないですが、それでOKです。ということですよ。

3. 団体商標に係る商標権の移転(商68条の24)

 日本国の商標権では、団体商標に係る商標権が移転する場合、何の手続きもしなければ、通常の商標権に変更されたものとみなされ(商24条の3第1項)、「団体商標に係る商標権を団体商標に係る商標権として移転しようとする旨を記載した書面」と「第7条第3項に規定する書面」を移転の登録の申請と同時に特許庁長官に提出すれば、団体商標に係る商標権として移転されますね(同2項)。
 一方、マドプロの特例の場合は、
 「第7条第3項に規定する書面を提出する場合を除き、移転することができない」(商68条の24)。
 つまり、団体商標に係る商標権は団体商標としてしか移転できず、通常の商標権には変更されたものとみなされることはないのです。
 商標の種別の変更はできないからです。なんせ「ガチな一括管理」ですから。

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