【弁理士】
「マドプロアレルギーを克服:その4」

 

弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今回のテーマは「マドプロアレルギーを克服:その4」です。先週の続きです。

今回は本シリーズ最終回です。マドプロアレルギーを克服して素敵な年越しをしましょう。今回は国際登録がセントラルアタック等により取り消された後の救済措置としての第3節についてご説明します。

1.国際登録の取消し後の出願の特例(商68条の32)
  マドプロでは、国際登録の日から5年以内に、本国官庁の存在する国において、その国際登録の基礎出願等が効果を失わせるような事態が発生すると、その範囲で国際登録の保護を受けることができない(議定書6条(3))自体となります。
  これを「セントラルアタック」といいますね。
  そうすると、せっかく日本指定して出願し登録されても、出願は「取下擬制(商68条の20第1項)」され、商標権は「消滅擬制(商68条の20第2項)」されます。
  でも、せっかくのご縁で日本を領域指定したのに、これですべて終わり。もやりきれない感じですので、もう一度、日本で出願し権利化するチャンスが与えられます。
  それが、「国際登録の取消し後の商標登録出願の特例」です。
  要件を満たせば、「国際登録の国際登録の日(国際登録が事後指定に係るものである場合は当該国際登録に係る事後指定の日)にされたもの」とみなされます(商68条の32第2項)
  それが商68条の32第2項各号の要件です。

 (1) 時期:その商標登録出願が、国際登録取消の日より3月以内になされること(同項1号)
(2) 客体:
① 商標登録を受けようとする商標が国際登録の対象であった商標と同一であること(同項2号)
② 商標登録出願の指定商品/役務が、国際登録において指定されていた指定商品/役務の範囲内のものであること(同項3号)

2.議定書の廃棄後の商標登録出願の特例(商68条の33)
  これは、国際登録が消滅した理由が商68条の32と異なり、「名義人が議定書第2条(1)の規定に基づく国際出願をする資格を有する者でなくなったとき」です。
  でもこの違いだけで基本的な効果や手続きが同じです。
  ただ、一点、上記1.の3要件のうちの「時期的要件」だけが異なります。
  時期は、
「議定書第15条(3)の規定による廃棄の効力が生じた日から2年以内」(商68条の33第2項)です。
あとは同じですよ。

3.拒絶理由の特例(商68条の34)
上記の2つの出願の場合、国際登録が取り消されたタイミングによって、日本指定された国際商標登録出願は「出願段階」である場合も、審査がすんなり終わって登録されて商標権になっている場合がありますね。
 後者のことを「旧国際登録に係る商標権の再出願」って定義しています(商68条の34第2項)。
 ここで、救済規定により出願する場合、もちろん権利化するには審査されるわけで、審査は何をみるかというと当然「拒絶理由」をチェックするわけですよね。
 上記前者の日本指定された国際商標登録出願は「出願段階」である場合は、まだ審査が終わっていない段階なので、審査は普通に出願する場合の商15条の拒絶理由をチェックし、さらに再出願に課される要件(第68条の32第1項若しくは第68条の33第1項若しくは第68条の32第2項各号)をチェックします。
 一方、上記後者の「旧国際登録に係る商標権の再出願」の場合は、既に審査をクリアして権利化されているので、商15条の拒絶理由はチェック済みですよね。だから「第68条の32第1項若しくは第68条の33第1項若しくは第68条の32第2項各号」を主にチェックします。
 ただし、商15条3号はもう一度チェックしますよ。だって、必ずしも過去の商標権の商品・役務の区分に従ってなされるとは限らないし、また区分の数は料金に関連するからです(青本 商68条の34)。お金に関することはシビアにね。


というわけで、みなさん、今年4月から始まりましたブログをご愛読頂きありがとうございました。
来年も皆様の合格をサポートできる情報をお伝えしていきますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。では良いお年をお迎えください。


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