【弁理士】
「関連意匠物語~その波乱万丈を赤裸々に綴る~第一話」

 

弁理士試験受験生の皆様。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今回のテーマは「関連意匠物語~その波乱万丈を赤裸々に綴る~第一話」です。

意匠法は、法律系ブログでは初登場な気がしますよね?今回からはじっくり、意匠法で短答式試験、論文式試験、口述試験、どの段階でも頻出の「関連意匠」についてお伝えします。

関連意匠は、関連条文が色んなところに出没するので、制度的にまとめて理解する必要があります。関連意匠制度は過去に様々な変遷があり、歴史的に見て結構面白いので、この歴史を追いながら、制度趣旨とそこから派生する様々な規定について体系的に理解していきます。
というわけで「その波乱万丈を赤裸々に綴る」というタイトルにしました。
ちょっと大げさにしてハードル上げちゃいましたが、もし期待はずれだったらごめんなさいね。


(1) 元祖「関連意匠制度」は?

実は、関連意匠制度は元々、この名前の制度ではなくて、「類似意匠制度」っていう名前だったんですよ。
イメージ的に「類似意匠制度」の方がしっくりくる気がしますけどね?

(2) 「類似意匠制度」廃止の真相はいかに?
普通に考えて、「類似意匠制度」のまま平和に過ごしていたら、改名やら制度改正なんて必要ないわけですよね。
ということは「類似意匠制度」にはなんらかの問題があったわけです。
それは・・・
類似意匠制度でも、1つのデザイン・コンセプトから創作されるバリエーションの意匠群を、一の登録意匠(本意匠)とその登録意匠に類似する意匠(類似意匠)として保護していました。
でもその実体は、侵害訴訟の場では、類似意匠は本意匠の効力範囲を定める際に参酌されるに止まっていたのです。
だから、仮に侵害のおそれがあり意匠が本意匠よりも類似意匠に類似していたとしても、類似意匠に基づく侵害の成否は訴訟の対象とはならなかったのです。
ということは、類似意匠制度があっても、類似意匠に類似する意匠に対しては権利行使ができず、本意匠の意匠権の侵害の成否としてのみ訴訟が進められていたわけです。
でも、バリエーションの意匠群は、「本意匠」であっても「類似意匠」であっても、創作の観点からは同等の価値を有するはずですよね?
にもかかわらず、登録されたときに「本意匠」となるか「類似意匠」となるかで、権利の効力範囲に差異が現れるという事態が生じてしまっているわけですよね。
「バリエーションの意匠を的確に保護」というスローガンの下、類似意匠制度を設けたはずなのに、その実体は当初の志とは異なり、「類似意匠」は「本意匠」の権利行使のために利用されるだけ利用されて、自分がいざ権利行使しようとすると実質できない。という状況だったわけです。ここが問題となりました。
そこで、法は、平成10年法改正により類似意匠制度を廃止しました。

(3)「関連意匠制度」の誕生
「関連意匠制度」では、類似意匠制度で抱えていた問題を全て解決し、名前も改名し生まれ変わりました。
デザイン開発の過程で、一のデザイン・コンセプトから創作されたバリエーションの意匠については、同日に同一出願人から出願された場合に限り、同等の価値を有するものとして保護されるようになりました。
そして、改正前の「類似意匠制度」では実現できなかった、「本意匠」であってもそうでなくても差別することなく、各々の意匠について権利行使することがこの「関連意匠制度」で可能となりました。
(出典:平成10年改正本p58)

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