【弁理士】
「関連意匠物語~その波乱万丈を赤裸々に綴る~第二話」

 

弁理士試験受験生の皆様。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今回のテーマは「関連意匠物語~その波乱万丈を赤裸々に綴る~第二話」です。

 今回は類似意匠から関連意匠制度に生まれ変わり、具体的にどんな制度整備していたのか、なぜそうする必要があったのかについてのお話ですよ。
 確かに、前回のお話では関連意匠は本意匠と対等の地位に登りつめ、同等の価値を有するものとして保護され、めでたしめでたし。でした。
 とはいえ、「本意匠」と「関連意匠」は類似関係にあるため、権利の重複部分が存在します。したがって、その調整のための法整備をする必要が出てきました。
 だから、「関連意匠」の若干の従属性も必要となってきたわけです。
 せっかく「同等の価値を有するものとして対等の地位」を掴んだのに。。。
 やっぱり世の中そんなに甘くはないですね。

 というわけでどんな制限が規定されたのかをお伝えします。

1.関連意匠の出願のタイミング

 関連意匠誕生当初は、関連意匠登録出願のタイミングは本意匠と同日しかだめでした(旧意10条1項)。
 今は平成18年改正後の規定での扱いとなっていますので、もう少し緩和されましたけどね。これについては次回お話しますのでお楽しみに。

2.関連意匠を出願する際に課される条件

 もちろん、本意匠に類似していれば、何個でも関連意匠出願できます。でも、親分である「本意匠」に類似してないくせに、「関連意匠」にだけ類似しているような出願はアウトです。
 だって、この関連意匠制度のそもそもの趣旨は「一つのデザイン・コンセプトから創作されたバリエーションの意匠を保護」でしょ。
 この「一つのデザイン」とはまさに「本意匠」のことで、これに類似してない意匠なんて「バリエーション意匠」でもなんでもないでしょ。気持ちがブレてはだめ。ということです。
 ブレた発想で「関連意匠」にだけ類似しているような意匠も登録を認めてしまうと、「類似の無限連鎖」という弊害が生じてしまいますよね(意10条3項)。

3.存続期間

 意匠権の存続期間は設定登録の日から20年です(意21条1項)。だから、本意匠も関連意匠も同等なら、どちらの存続期間も設定登録の日から20年にしてあげたいところではあります。
 でもそうはいかないんですよー。
 上記の通り、「本意匠」と「関連意匠」は類似関係にあるため、権利の重複部分が存在します。
 したがって、本意匠はすんなり登録され、関連意匠が登録要件の判断に時間がかかってしまったりすると、本意匠と関連意匠の設定登録の日はズレが生じます。
 そうすると、「本意匠」と「関連意匠」の重複部分の権利の存続期間は「20年+ズレが生じた期間」となりますよね。
 つまり、「本意匠」と「関連意匠」の重複部分の権利の存続期間は、実質的な延長が生じてしまいます。うーん。それ、ちょっとまずい?かな?
 この制度利用した者勝ちになりますね。
 だから、関連意匠には申し訳ないけど、関連意匠の存続期間は、本意匠の存続期間の満了に伴い消滅することになりました(意21条2項)。
(出典:平成10年改正本p59~61)