【弁理士】
抱き合わせ大作戦 その1

 


弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

今回は、「抱き合わせ大作戦 その1」についてお伝えします。

 今年の短答式試験、論文式試験の感想は、一言で表現すると「条約。恐るべし」ですね。
 まず、短答式試験は条約、特に「PCT」の問題が難問で、合計得点が39点以上であったにもかかわらず、条約のみ科目基準点に到達せず、今年の合格を逃してしまった方が大勢いらっしゃいました。
 論文式試験は、「条約」という科目はないのに、特許法でいきなりPCTが根拠条文となるような問題が出題されていましたし、商標法での商4条1項17号の趣旨についての問題ではTRIPS協定絡みで解答することが求められていましたよね。
 今後の試験対策は、とにかく手あたり次第色々な作戦を練って臨まなくてはいけない時代です。試験が進化しつづけているので、講師も受験生もそれを上回る対策を取らなくてはいけないですね。
 その一つとして、私が、じみーに取り組んでいるのが、主要四法「特許法、実用新案法、意匠法、商標法」の勉強を条約に絡めて、条約に触れる時間を多く持つ、更に、条約と主要四法を混然一体とさせて、理解を深めるという方法です。
 これが、今回のタイトルの「抱き合わせ大作戦」です。
 「条約」は独立した科目という位置づけなので、なんとなく苦手意識を持つ受験生も多いのですが、そもそも主要四法は条約がベースとなっているので、一緒に勉強すると実は主要四法の基礎固めとして有効に活用できます。
 今回は特許法の「裁定通常実施権」と条約の「抱き合わせ」で学習していきます。
 「裁定通常実施権」は、かなり厄介です。私は受験生のとき苦手でした。83条~94条までは、本音いうと捨てていた感じです。もし出たら、アウト。だからカンと気合いで乗り切る。でした。
 今になってようやく苦手意識を克服できました。その克服方法は、これまた捨て科目だった条約の「TRIPS協定」とセットで理解し覚える「抱き合わせ大作戦」で勉強したからです。
 「裁定通常実施権」は今年、論文式試験で特・実問題IIで出題されましたよね。短答式試験でも今後出題の可能性は高いです。私のように捨てると痛い目にあいます。
 というわけで、「抱き合わせ大作戦」、ご紹介します。
 「裁定通常実施権」は「TRIPS協定31条」を活用すると、楽々クリアできますよ。

1. TRIPS協定31条(a)
「他の使用は、その個々の当否に基づいて許諾を検討する。」
とざっくり規定されていますね。
「他の使用」というのは、「強制実施権(つまり裁定実施権)の設定等、特許権者の許諾を得ていない使用全体」を意味していますよ。
これに関して特許法85条では、
「特許庁長官は、裁定をしようとするときは、審議会等で政令で定めるものの意見を聴かなければならない」と規定しています。
ちなみに、「審議会等で政令で定めるもの」とは、「工業所有権審議会」ですよ(青本特85条)。


2. TRIPS協定31条(b)
「他の使用は、他の使用に先立ち、使用者となろうとする者が合理的な商業上の条件の下で特許権者から許諾を得る努力を行って、合理的な期間内にその努力が成功しなかった場合に限り、認めることができる。」
となっています。
これに関して
特許法83条の「不実施の場合の通常実施権の設定の裁定」
特許法92条の「自己の特許発明の実施をするための場合の通常実施権の設定の裁定」
特許法93条の「公共の利益のための通常実施権の設定の裁定」

すべて協議前置になっていますね(特許法83条1項、同2項、92条1項から同4項、93条1項、同2項)

次回は更にTRIPS協定31条に踏み込んでいきます。

お知らせ


「TAC式超高速カリキュラムで最短合格無料セミナー」
今年秋から弁理士試験合格を目指す方に向けて、
・弁理士試験とはどんな試験?
・試験制度はどんな感じ?
そして、
・どうすれば合格効率よく合格にたどり着くことができるのか?
・さらに、秋からスタートしてどんなカリキュラムで無理なく合格を掴むことができるのか?
について、お教えしますよ。
是非、いらしてください。