【弁理士】
抱き合わせ大作戦 その2

 


 弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。


 今回は、「抱き合わせ大作戦 その2」についてお伝えします

 今回も引き続き、主要四法の知識に「条約」を抱き合わせて、セットで得点アップ作戦「抱き合わせ大作戦」についてお伝えしますね。

3.TRIPS協定31条(c)第1文
「他の使用の範囲及び期間は、許諾された目的に対応して限定される。」
と規定されていますね。
これに関して特許法86条2項では、
「通常実施権を設定すべき旨の裁定においては、
次に掲げる事項を定めなければならない。
一 通常実施権を設定すべき範囲
二 対価の額並びにその支払の方法及び時期」

と規定しています。
裁定で決定することは、
「TRIPS」では「他の使用の範囲及び期間」となっていますが、
「特許法86条」では、「「通常実施権を設定すべき範囲」、「その支払時期」」
だけでなく、
「「対価の額」、「その支払の方法」」となっていますね。

4.TRIPS協定31条(d)
「他の使用は、非排他的なものとする。」

となっています。
これに関して、
特許法でも確かに、「裁定通常実施権」はあっても、
排他的なものである「裁定専用実施権」はありませんね。

5.TRIPS協定31条(e)
「他の使用は、当該他の使用を享受する企業又は営業の一部と共に譲渡する場合を
除くほか、譲渡することができない。」

となっています。
これに関して、
特許法94条3項は
「第83条第2項(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)、
又は
93条第2項(公共の利益のための通常実施権の設定の裁定)
の裁定による通常実施権は、
実施の事業とともにする場合に限り、移転することができる。」
特許法94条4項は
「第92条第3項
(自己の特許発明の実施をするための場合の通常実施権の設定の裁定)
の裁定による通常実施権は、
その通常実施権者の当該特許権等が
実施の事業とともに移転したときはこれらに従って移転し、
その特許権等が実施の事業と分離して移転したとき、又は消滅したときは消滅する。」
となっています。
「TRIPS」での「他の使用」とは、「強制実施権(つまり裁定実施権)」です。
そして、
「当該他の使用を享受する企業又は営業の一部と共に譲渡する場合を除くほか、
譲渡することができない」
とはつまり、
「当該他の使用を享受する企業又は営業の一部と共に譲渡する場合のみ、
譲渡できる」
ということですね。
これは、
特94条3項で、
「実施の事業とともにする場合に限り、移転することができる。」と、
特94条4項で、
「その通常実施権者の当該特許権等が実施の事業とともに移転したときは
これらに従って移転する」
となっており、
「享受する企業又は営業の一部と共に譲渡」がちょうど
「実施の事業とともに移転する」に対応しています。
ここで、
「自己の特許発明の実施をするための場合の通常実施権の設定の裁定」
には、
特92条3項の「後願権利者による裁定」の他に
特92条4項の「先願権利者による裁定」がありますよね。
これも「裁定の通常実施権」だし、「他の使用」じゃないの?
と思ってしまいますよね。
でも特92条4項の裁定については、
特94条5項では、
「第92条第4項の裁定による通常実施権は、
その通常実施権者の当該特許権等に従って移転し、
その特許権等が消滅したときは消滅する。」
となっていますよ。
つまり、移転は「実施の事業とともに移転する」ではないですよね。
うーん。これってなぜだと思います?
これはちょっと話長くなりそうなので、次回じっくり語りますね。





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