【弁理士】ビールの世界を極める:ノンアルバトル

 

 弁理士試験受験生の皆様。こんにちは。TAC弁理士講座担当の齋藤晶子です。

 今回のテーマは、「ビールの世界を極める:ノンアルバトル」です。

 今回はサントリーホールディングスとアサヒビールの「ノンアルコールビール」を巡る侵害訴訟についてお伝えしますよ。

1.サントリーの宣戦布告
 サントリーホールディングスは、ビールテイスト飲料であっても飲み応えが得られることを目的とした「ノンアルコールビール」について平成25年10月の特許権を取得していました(特許第5382754号)。
 そして、アサヒビールから販売された「ドライゼロ」はこのサントリーの特許権を侵害しているとして、サントリーは平成27年1月、東京地裁に提訴しました。

2.アサヒの反撃
 これに対してアサヒビールは、サントリーの特許第5382754号は、ノンアルコールビールは、平成21年発売のキリンビール「フリー」を先駆けに、大手各社が相次ぎ参入、更にサントリーとアサヒは、糖質・カロリーゼロの商品を手掛け、これらの商品が需要者の間で受け入れられており、サントリーの特許権は、サントリーが出願する以前から多数販売ビールテイスト飲料(ノンアルコールビール)のノンアルコールビールを前提に、当業者であれば容易に開発し作り出すことができるものであるとして、「進歩性なし(特29条2項)」で無効理由(特123条1項2号)を有する旨の抗弁の主張(特104条の3)をしました。

3.第1ラウンドの結末
 結局、平成27年10月、アサヒビールの主張が認められ、サントリーが敗訴しました(平成27年(ワ)第1025号 特許権侵害差止請求事件)。

4.第2ラウンドへ
 サントリーはこれでは納得いかず、平成27年11月に知財高裁に控訴しました(知的財産高等裁判所平成27年(ネ)第10131号特許権侵害差止請求控訴事件)。
一方、平成28年4月、アサヒビールは、必要に応じて特許庁に対してサントリーの特許権について無効審判の申立てを行ない、特許権そのものを無効にするための手続きを行っていました(無効2016-800049号無効審判請求事件)。
 成分に関する特許だけに、その「進歩性」をどこまで判断するかは予断を許さないものであり、また、ビールの成分が同じでも最終的には「味」「飲み口」といった主観的な要素が大きいだけに、なおさら特許侵害の線引きは難しいとされ、知財高裁での逆転は果たしてあるのか、気になるところでした。

5.平和的解決
 結局、平成28年7月20日に両者の和解が成立し、引き分けに終わりました。アサヒビールの無効審判請求も取下げられました。
 円満解決でよかったです。



 



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