【知財】
著作権には色んな種類がある!

 

第4回 著作権には色んな種類がある!


 皆さん、こんにちは。前回は、知財検定試験で最も重要性の高い特許権についてお話しました。そこで、今回は、特許権に次いで重要性の高い分野についてお話します。

 X社では、Aが唄っている「α」という楽曲を自社のホームページのBGMとして使いたいと考えています。その際、自社の宣伝も兼ねて、歌詞の一部をXに変更して使用したいとも考えています。「α」は、モーツァルトが作曲した曲にBが歌詞を付けたもので、それをAが歌唱したものをY社がCD化して販売しているものです。この場合、知的財産権について、どのような検討が必要でしょうか。
 また、X社の取締役の一人であるZは、個人的に「α」を気に入っており、自身で購入した「α」のCDを、自宅のパソコンに取り込み、コピーした上で、自宅や自家用車内で聴いています。この点につき、知的財産権の問題が生じるでしょうか。


1.著作権の存在
 楽曲は、音楽の著作物として、著作権法により著作権の対象となっています。この著作権は、特許権とは異なり、何ら手続きを要することなく、著作物の創作と同時に発生します。
 そこで、「α」について、誰がどのような権利を有しているのかを把握する必要があります。
 まず、「α」を作詞したB、作曲したモーツァルトには、著作者として、それぞれ著作権が発生しています。このように、一つの楽曲であっても、作詞した者と作曲をした者とには、別々に著作権が発生します(このような場合を結合著作物といいます。)。もっとも、著作権は永久の権利ではなく、著作者の死後50年で消滅します。したがって、作曲したモーツァルトの著作権は消滅しています。また、著作者には、著作者人格権がありますから、無断で内容を改変することもできません(これを、同一性保持権といいます。)。ただし、この著作者人格権は、著作者の死亡により消滅し、相続の対象にはなりません(このような権利を一身専属権といいます。)。
 次に、「α」を歌唱しているのはAです。このAは、著作者ではありませんが、著作権法上、実演家として著作隣接権という権利が認められています。また、実演家にも人格権が認められていますから、無断で内容を改変することもできません。
 さらに、「α」をCD化して販売しているY社にも、レコード製作者として著作隣接権があります。ただし、レコード製作者には人格権はありません

2.著作権の侵害
以上のように、「α」には、多くの関係者が権利を有していますので、無断でホームページのBGMとして使用することは、A、B、Y社の権利を侵害することになります。具体的には、送信可能化権を侵害することになります。また、購入したCDのコピーを作成することも権利侵害となります。具体的には、複製権を侵害することになります。したがって、今回のケースにあるような行為をするためには、権利者の許諾を受けることが必要です。もっとも、権利侵害に当たりそうな行為であっても、例外的に権利侵害にならない場合があります。その一つが私的使用のための複製です。これは、個人的または家庭内のような限られた範囲で使用することを目的に複製する場合には、例外的に著作権が制限されるというものです。よって、Zが自宅や自家用車内で聴く目的で購入したCDをコピーすることは権利侵害とはならないことになります。

 以上のような著作権は、取得の手続について勉強することはありませんが、誰にどのような権利があるのかが学習の大きなポイントとなります。その意味で、特許権等のような産業に関わる権利とは、勉強の趣が異なるといえます。