【知財】
「早い段階で覚えておくべきこと!著作権編」

 


 皆さんこんにちは。さて、前回までは、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)について、早いうちに覚えておくべき内容のお話をしました。引き続き今回は、著作権における権利の内容について、早い段階で覚えておくべき内容をお話します。

1.著作権とは
 知財検定試験において、著作権は特許権に次ぐ頻出分野ではありますが、その出題の趣は全く異なります。特許権等の産業財産権は、特許庁長官に出願をし、審査を受けた上で、登録すれば発生する権利ですが、著作権は著作物を創作しただけで発生するため(これを無方式主義といいます。)、権利取得の手続きは問題にならず、発生する権利の内容が出題されます。
 まず、著作物を完成させた著作者に発生する権利は著作権です。もっとも、著作権と一言で言っても、その権利には二つの種類があります。一つは財産権としての著作権です。この財産権としての著作権は、支分権の束と呼ばれるように、様々な権利が集まったものを総称したものです。その中で代表的な権利は複製権です。複製権とは、簡単に言えばコピーを作ることです。したがって、著作者はその著作物のコピーを作る権利を有していることになります。よって、誰かが書いた小説を書き写したり、誰かが作った音楽を録音したりするためには、原則として、権利者から許可を受ける必要があります。
 もう一つは著作者人格権です。著作者人格権の内容には、公表権、氏名表示権、同一性保持権があります。著作者は、創作した著作物について、公表するかどうか、氏名を表示するかどうか等を決めることができ、著作物の内容を勝手に改変されない権利を有しています。そして、この権利は、他人に譲ることが出来ない、相続の対象にもならないことが特徴です。このことを一身専属権と言います。

2.著作隣接権
 著作物を創作した者には前述の権利が発生しますが、どんなに良い著作物であっても、それが世の中に伝達されないことには文化は発展しません。そこで、この伝達に貢献した者にも、一定の権利を認めることにしています。これが著作隣接権と呼ばれる権利です。著作隣接権は、音楽を演奏した者や演劇を演じた者のような実演家、音をCD等に固定して製作した者であるレコード製作者、テレビやラジオ放送等を行う放送事業者等が有することになります。

以上から、例えば、Aが作詞・作曲し、Bが歌唱した楽曲をX社がCD化して販売した場合、Aには財産権としての著作権、著作者人格権が、Bには実演家としての著作隣接権が、X社にもレコード製作者として著作隣接権が発生していることになります。このように、誰にどのような権利が発生していて、その内容はいかなるものなのかについて、学科試験では頻出のところですし、実技試験では、この知識があることを前提に具体例を通じて、問題となる点を指摘させる出題がなされます。はやいうちに覚えてしまいましょう。