【行政書士】
試験科目の特性と効率的学習法


先週は、行政書士試験の受験者や合格率についてお伝えしました。
今日は、行政書士試験の試験科目の特性と効率的学習法についてお伝えしていきます。

行政書士試験は科目の内容から大きく2つに分けられます。
法令科目と一般知識科目です。
それぞれの内容と、学習法を見ていきましょう。

≪法令≫(244点/300点)
行政書士の業務に関し必要な法令等からの出題になります。
日本の法は1500あるとも2000あるとも言われています。
それがすべて出題対象となるわけではありません。
その中のごく一部の限られた法令等から出題されます。
出題されるのは日本の法体系のなかでも、大きな法です。

<基礎法学>
⇒内 容:法律関係・法令用語の基礎知識や、裁判制度などが問われます。
⇒配 点:5肢択一式2問(8点)
⇒学習法:配点は小さく、範囲は広い。得点効率は悪いところです。試験直前期の答練などで出題されるものを中心に押さえておくようにします。深入りは禁物です。

<憲法>
⇒内 容:国家の基本法。人権の保障や国家統治の仕組みについて定めた法です。
⇒配 点:5肢択一式5問+多肢選択式1問(28点)
⇒学習法:条文数は少なく、学習範囲が限定されていますが、全体の1割の配点があります。得点効率が良いところですので、人権は条文+判例を、統治は条文を押さえていきます。

<行政法>
⇒内 容:行政に関する法律から出題されます。細かく分けると、「行政法の一般的法理論」「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」「国家賠償法」「地方地自法」
⇒配 点:5肢択一式19問+多肢選択式2問+記述式1問(112点)
⇒学習法:本試験全体に占める配点割合が4割近くになる、行政書士試験では最重要科目です。問題演習量に比例して得点は伸びますので、問題演習を丁寧にこなします。「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」は、条文からの中心となりますので、過去問の演習が有効です。

<民法>
⇒内 容:一般市民同士の法律関係(財産関係・家族関係)について広く適用される法律です。
⇒配 点:5肢択一式9問+記述式2問(76点)
⇒学習法:行政法に次いて配点割合が大きい科目です。法律実務で必須の法律ですから、十分な理解が必要です。事例問題が中心となります。条文、判例を理解するときには、それが具体的にどのような場面で適用されるのかをイメージしながら学習を進めます。問題を解くときにも、事案を図に書きながら、事案を読み、分析することが必要です。

<商法・会社法>
⇒内 容:商人の法律関係(商人の活動、会社組織・運営など)について適用される法律です。
⇒配 点:5肢択一式5問(20点)
⇒学習法:基礎法学と同じく、求められる学習量の割には、配点が小さく、得点効率の悪いところです。5問中2問程度の正解を目標とします。頻出する「株式」「機関」で過去出題されたところは絶対に間違えないように、知識を固めておきます。それ以外のところは余裕があればでよいでしょう。

≪一般知識≫(56点/300点)
<政治・経済・社会>
⇒内 容:政治・経済などの国際問題・国内情勢、経済、財政、環境、労働、社会保障など、幅広く出題されます。
⇒配 点:5肢択一式7問(28点)
⇒学習法:出題範囲が広く、学習すべきところを絞りきれないところです。学習効率もよくありません。行政書士試験用に勉強するというよりも、他の行政書士試験科目の勉強時間を圧迫しない程度に、新聞やニュースなどに目を通します。そこで、分からない用語が出てきたら、インターネットで検索をかけて、出てきたページを上から1つ2つ見ておくことも有効です。あとは、直前期の答練やヤマ当て講義的なもので、フォローします。7問中3問程度取れれば良しとします。

<情報通信・個人情報保護>
⇒内 容:インターネットに関連する法律や知識、また、個人情報保護法などから出題されます。
⇒配 点:5肢択一式4問(20点)
⇒学習法:情報通信関連法、個人情報保護関連法は、法律からの出題ですから、法律科目と同じような学習が有効です。過去問を中心に問題演習を丁寧にこなすことで、比較的容易に得点を伸ばすことができます。

<文章理解>
⇒内 容:いわゆる現代文の問題になります。本文内容全体把握問題、空欄補充問題、並べ替え問題などが出題されます。1つの文章に1問の問題がつきます。
⇒配 点:5肢択一式3問(12点)
⇒学習法:文章理解は、比較的長文を読ませますので、解答時間がかかるのが特徴です。文章の論理性を把握できるかが問われます。論理性を磨く対策としては、問題の数をこなすというより、問題文を段落ごとに要約しながら、それぞれの段落の関係性を把握するようにすれば、論理的に文章を読む力がついていきます。他の科目の学習時間を圧迫しない程度に、1、2週間に1、2問程度、解いておくとよいでしょう。

これらのことを踏まえて、試験特性に合わせた無駄のない効率的な学習を心がけましょう。

資格は、資格を使った仕事をするための前提です。
資格試験に合格することが目的ではなくて、私たちの目的はその先にあります。

ですので、資格試験に費やす時間はできる限り最小限に抑えて、合格を勝ち取りましょう。

それでは、次回は、
行政書士試験合格後の展望(行政書士の仕事)
について見ていきます。
お楽しみに!

(つづく)