【行政書士】

行政法過去問との向き合い方


行政書士試験の本丸・行政法!
ここを攻略せずして、行政書士試験合格なし!です。

とは言いつつ、行政法が不得意な方が多くいらっしゃいます。
それはなぜでしょうか。

<行政法学習の大前提>
その理由は、行政法独特の専門的な用語が多く、具体的なイメージが湧きづらいからです。

英語学習でたとえてみましょう。
文章としては簡単なのに、単語の意味が分からなければ、途端に意味不明の文章に早変わりです。読もうという気も起きなくなります。

実は行政法もそれと同じです。

勉強していると、普段使わない用語のオンパレード。
「公物」「訓令・通達」「行政指導」「覊束行為」
「下命」「公定力」「不可争力」「瑕疵の治癒」「附款」
「代執行」「秩序罰」「聴聞」「不利益処分」「教示」
「抗告訴訟」「反射的利益」「原処分主義」「法定受託事務」
などなど、挙げ始めたらキリがありません。

この専門用語の分かりづらさが、行政法の苦手意識を増幅させています。

とはいっても、法律は日本語ですし、民法のように、条文や判例自体が難しいわけでもありません。

用語を1つ1つ押さえることさえができれば、行政法の内容は難しいことはないので、学習は楽になりますし、面白くなります。
そして、得点も大きく伸ばすことができるようになるわけです。

したがって、行政法の対策法は、
「まず、用語の意味を徹底的に頭に叩き込む!」
ということを、学習の大前提に進めていくことになります。

<行政法過去問との向き合い方>
以上のことが大前提になるとして、
行政法は、例年、択一19問、多肢選択2問、記述1問出題されます。
行政法は、行政法を解くことに比例して、成績は伸びます。
特に、過去問で出題されたことが繰り返し問われるのが顕著です。
過去問制覇が、行政法攻略の一番の近道 です。

<行政法の攻略法>
行政法は、条文・判例の内容をそのまま問う問題が中心です。
条文が正しいかどうか、判例が正しいかどうかを判断する問題です。

行政法では、答えを出す思考過程として、
①問題を見る。
  ↓
②問題文を正確に把握する。
  ↓
③問題文が条文・判例に照らして正しいかを正誤判断をする。
この過程を経て、〇×判断をすることになります。

行政法で特に重要になってくるのが、③問題文と条文・判例を照らし合わせる作業です。

そのためには、条文・判例を正確に把握しておくことが必要になります。
条文・判例の内容を正確に把握しておかないと、そもそも、問題文の正誤判断ができなくなります。

逆の言い方をすれば、条文・判例が正確に頭に入っていれば、瞬時に、問題文の正誤判断ができるということになります。

そこで、条文・判例を正確に記憶しなければなりません。

そのための訓練としては、これは民法と同じで、
問題を解くことに尽きます。
それでは今回は、用語学習の重要性がわかる問題と、条文の知識を問う問題をいくつかを解いてみましょう。

【用語学習の重要性がわかる問題】
行政行為の効力に関する次の記述は正しいか。(平成6年―37問抜粋)
1 不可争力とは、行政行為に瑕疵があっても、その瑕疵が重大かつ明白でない限り、それを有効なものとして通用させる力をいう。


【正解】×
1 これは、公定力の説明です。不可争力とは、行政行為に対しては法定期間内に限り争訟が認められ、この期間経過後はその効力を争い得ないことをいいます。公定力、不可争力という用語を押さえていれば簡単に解ける問題ですが、押さえられていなければ、どれだけ時間をかけても解けない問題です。

【条文の正確な記憶の重要性がわかる問題】
行政手続法のなかでも、特に混乱しがちな努力義務なのか法的義務なのかという問題をいくつかみておきましょう。


【条文】
≪行政手続法5条≫
1項 行政庁は、審査基準を定めるものとする。
2項 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
3項 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

【問題】(平成20年-問題11-肢ウ)
 審査基準を定めることは行政庁の努力義務であるが、設定した場合には、これを公にしておく法的義務が課される。


【正解】
→×
上記のとおり、審査基準の設定は法的義務です。なお、行手法5条3項は、審査基準を設定した場合には、これを公にしておかなければならないと規定しているので、後半は正しい記述です。

【条文】
≪行政手続法12条1項≫
行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

【問題】(平成19年-問題12-肢イ)
 不利益処分についての処分基準の設定が努力義務にとどまるのに対して、申請に対する処分についての審査基準の設定は、法的な義務であるとされている。


【正解】
→〇
行政手続法12条1項は、不利益処分については、「処分基準を定め‥ておくよう努めなければならない」と規定して、処分基準の設定を努力義務としています。しかし、他方、申請に対する処分については、「審査基準を定めるものとする」と規定しており、審査基準の設定を法的義務としています。

過去問を徹底的に繰り返すことに比例して、
用語の意味が正確にわかるようになり、かつ、
条文・判例の知識の正確性も磨かれていきます。

もし、得点が伸びないなぁ、と思ったときには、客観的には、まだまだ問題の繰り返す量が足りないと思ってください。

新しい問題を次々に手を付ける必要はありません。
いまお持ちの問題集を何度も何度も繰り返してください。

行政法が得意になれば、
行政書士試験合格は目の前です!!!


次回は、みなさんが気になっている記述式問題を攻略します。
お楽しみに~!!

(つづく)