【行政書士】

記述式問題対策講座・第5回


「記述式問題対策講座」
第5回の今回は、記述式解法マニュアルの4つの手順のうち
3.解答に必要な知識を記憶喚起するについて見ていきましょう。

【解答に必要な知識を記憶喚起する】
うまく「問い」を把握して、「答えの形」を作ったとしても、
「問い」に答えられる知識がなければなりません。
つまり、「問い」に答えられるだけの知識を試験前までにインプットしておく必要があるわけです。知識がインプットされていれば、あとは本試験で「答え」となる知識を頭の中からひっぱり出してくることになります。

では、「問い」に答えるためにインプットしておかなきゃいけない知識ってどんな知識なのでしょうか???

それは「条文」と「判例」です。

過去5年間の記述式問題では、

「条文には何が書いてあるの?」
「判例はなんて言ってるの?」


ということが問われているのがほとんどです。ですから、記述式問題で必要とされる知識は、「条文」と「判例」ということになるわけです。

ここでしっかり肝に銘じておいてほしいこと。それは。
記述式問題は、自分の考えや想いを書くのではない。
ということです。

「問い」の「答え」となる条文・判例を、解答欄に書くのが記述式問題だってことです。
大切な事なので、もう一度、繰り返しておきますが、解答欄に自分の考えや想いのたけを書いても得点にはならないことを、肝に銘じておいてください。

行政書士本試験では、条文集や判例集を参照することは認められていません。そうすると、私たちは否が応でも、条文や判例を頭の中に入れておかなければならないことになります。とはいっても、条文や判例の量は膨大です。民法なんて、条文だけでも1044条もあります。ましてや判例となれば数に限りがありません。

条文や判例を全部暗記するの?!

いや、これはとてもとてもムリですよね。
では、私たちはどうすればいいんでしょう?

実は、行政書士本試験で問われる条文や判例は、ほとんどが、ごくごく基本的なものです。
ですから、記述式対策としては、数ある条文・判例の中から基本的な条文と判例をピックアップして、それをしっかり記憶するということになります。

それじゃあ、「基本的」な条文・判例ってどの条文や判例を指すのでしょうか。

巷では、「基本的な条文」をマスターしましょう。とか、「基本的な判例を読みましょう。」というようなことをよく言います。しかし、そもそも、何をもって「基本的」なのかを答えてくれているものはあまり見かけません。

「基本的」な条文・判例とは?

それは、「過去に出題されている条文・判例」です。

これは、記述式の問題に限りません。5肢択一式、多肢選択式で問われた過去問もすべて含みます。

過去に出題された条文・判例というのは、出題者側が、行政書士試験に合格するために、「これぐらいは知っておいてほしい。」と考えている条文や判例です。だからこそ、試験で出題するわけです。そして、「これぐらいは知っておいてほしい。」と考えている条文や判例は、毎年コロコロ変わるわけではありません。去年、「これぐらいは知っておいてほしい。」と考えた条文や判例は、今年もやっぱり「これぐらいは知っておいてほしい。」条文や判例です。

これらの基本的な条文や判例は、5肢択一式でも、多肢選択式でも、記述式でも、すべての形式の問題に共通して基本的な条文や判例です。記述式だから難しい条文や判例を出すとか、5肢択一式だから簡単な条文や判例を出すということではありません。

出題者は、基本的な条文・判例の知識があるかどうかを見るために様々な形式で出題しているだけです。ですから、どの形式で出題するにしても、問題のベースとなる「ぜひとも知っておいてほしい」条文や判例は同じなわけです。

記述式が難しいのは出題形式だけで、決して難しい条文や判例の知識が問われるわけではないということを、まずは、しっかり肝に銘じておいてください。

5肢択一式や多肢選択式の過去問を徹底的に勉強することが、実は記述式問題に答えるためのベースとなる知識の獲得になるわけです。

ここで、もう一度、念を押しておきますが、5肢択一式問題や多肢選択式問題で要求される条文・判例と、記述式で要求される条文・判例は同じです。記述式対策といって細かい条文や判例の知識を増やすことは、記述式対策にならないのみならず、些末な知識が増えることで基本的な知識の正確性を下げてしまいます。

注意してください!

次回は、四つ目のポイント、
4.「答えの形」に法的知識をはめ込む
ということを見ていきます。お楽しみに。