【行政書士】記述式問題対策講座・第6回


【行政書士】記述式問題対策講座・第6回

「記述式問題対策講座」
第6回の今回は、記述式解法マニュアルの4つの手順のうち
4.「答えの形」に法的知識をはめ込むについて見ていきましょう。

【「答えの形」に法的知識をはめ込む】
まずは記述式問題を解くためのポイントをここでおさらいしてみましょう。

<1.「問い」を正確に把握する>
問題文で問われている「問い」を正確に把握することが、正しい「答え」を導き出すための出発点でした。

<2.「問いの形」から「答えの形」を作る>
「問われていること」に端的に答えるため、問われている形、問いの形をそのままオウム返しにして、答えの形を作ります。

<3.解答に必要な知識を記憶喚起する>
頭の中の法律知識が頼りとなります。

<4.「答えの形」に法的知識をはめ込む>
そして、本日のテーマです。記述式問題に解答するための最後の詰めの作業です。型枠に、必要な知識を流し込んでいきます。型枠からはみ出さないように答えを作り上げます

この4つの手順のうち、今日お話しする4.は、言い換えれば、「問い」に対する答えを、「どのように解答欄に書くか」ということです。

同じ条文・判例を問う問題であっても、その問われ方、つまり「問い」の「形」はさまざまですから、そのため、「答え」を「問い」の「形」に合わせて、柔軟に変えていく作成技術が必要になります。

その作成技術が、
「答えの形」に法的知識をはめ込む
ということです。

これを過去問で実践してみましょう。
≪平成18年の問題44≫です。

保健所長がした食品衛生法に基づく飲食店の営業許可について、近隣の飲食店営業者が営業上の利益を害されるとして取消訴訟を提起した場合、裁判所は、どのような理由で、どのよう判決をすることとなるか。40字程度で記述しなさい。


このなかで、「問いの核心」となるのは、
「どのような理由で、どのような判決をすることとなるか。」
です。みなさんは、この「問い」に対してどのように答えますか?

ここでの「問いの核心」は、

1、どのような理由で、
2、どのような判決をするか

の2点ですから、この「問いの核心」に対して、呼応する形で答えを作成してみてください。
いまは、問題の内容が分からなくても大丈夫ですよ。答えの「形」を作ってみてくださいね。

書けましたか?

結論!
「○○という理由で、△△のような判決をする。」
という答えになります。

う~ん、簡単っ!!

ここで気づかれた方もいらっしゃると思いますが、記述式問題は、「問いの核心」を捉えられれば、「与えられた事情」の内容が分からなくても、答えの形だけは書くことができるんです!

あとは、「与えられた事情」を踏まえつつ、頭の中にある知識を使って「○○」や「△△」に何が入るかを埋める作業をすれば、「問い」に呼応する解答の完成です。

本問の場合、結論として「『△△』という判決をする」ということですから、「△△」には、判決の種類が入ることになります。
判決の種類には、大きく「却下判決」「棄却判決」「認容判決」があります。そのなかから、選んで「△△」を埋めることになります。

また、それらの判決をする理由が「○○」に入るということですから、それを記憶喚起します。
「却下判決」訴訟提起が、法律上の要件を欠き不適法だから
「棄却判決」原告の主張に理由がないから
「認容判決」原告の主張に理由があるから

ということになり、「△△」で選択した訴訟に合わせて、「○○」を埋めることになります。

結論としては、
「○○」には、法律上の利益がなく、原告適格を欠くという理由を、
「△△」には、訴えを却下判決という判決で、穴埋めをすることになります。

なお、これらに加えて「事情判決」というものもありますが、本問では、回答ではないので、原則的な3種類を検討しておけば、よいでしょう。

これらの知識の記憶喚起は、手順2で行っておくことになりますが、このような記憶喚起した意識を使って、「○○」や「△△」の穴埋めをしていくことになります。


記述式問題も、あくまで「問い」なわけですから、相手(出題者)が知りたいと思っていることに端的に答えなければなりません。この答えなければならない内容は、問いの形から、答えの形を創れば、空欄となって現れますので、あとは、
「答えの形の空欄を埋める穴埋め作業」
をすれば完成ということになります。

この手順は、簡単なのですが、実はこの作業ができてない方が非常に多いんです。なぜなら、こういう作業を意識されていないんですね。

実は、ここが記述式問題で一番差が出るところなんです。
解答を作った後は、自分の中で、「問い」と、自分の作った答えで問答してみて、「答え」が「問い」に呼応しているかを「必ず」確認するようにしてください。

次回は、4つの解答手順を踏まえて、実際の記述式問題を解いていきましょう。
まずは、行政法の傾向と対策を考えてみます。
乞うご期待!

(つづく)