【行政書士】記述式問題対策講座・第8回


「記述式問題対策講座」
こんにちは。TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。今日も楽しく勉強しましょう。

第8回の今回は、前回までにお伝えした4つの解答手順を踏まえて、実際に行政法の問題を解いてみましょう。

【行政法の傾向と対策②】

まずは記述式問題を解くための4つの手順を、しつこいぐらいに確認します。

<1.「問い」を正確に把握する>
<2.「問いの形」から「答えの形」を作る>
<3.解答に必要な知識を記憶喚起する>
<4.「答えの形」に法的知識をはめ込む>


そしてさらに、行政法の問題の特徴は、法律効果が事例問題で問われることが圧倒的に多いということでした。

さぁ、これを前提に。
平成18年の問題44を解いてみよう。

【問題文】
保健所長がした食品衛生法に基づく飲食店の営業許可について、近隣の飲食店営業者が営業上の利益を害されるとして取消訴訟を提起した場合、裁判所は、どのような理由で、どのような判決をすることとなるか。40字程度で記述しなさい。


まず、ポイントの一つ目。「問い」を正確に把握してみましょう。
なかでも、「問い」の核心となる部分はどこでしょうか。文末に注目です。

本問では、「裁判所は、どのような理由で、どのような判決をすることとなるか。」という部分が「問い」の核心。

つまり、私たちが答えなければならないのは、裁判所が、ア、どのような理由でイ、どのような判決をするかという2点ですよね。

でも、これだけでは回答できません。なぜなら、どのような事案で、このアイについて答えなければならないか、事案部分を読まないと分からなないからです。そこで、その前の部分に目を向けると、「~の場合」とあります。

これが、本問を答える前提となる事案を提示している部分です。この「~の場合」はどのような場合なのでしょうか? 本問では、「保健所長がした食品衛生法に基づく飲食店の営業許可」とあります。保健所長は行政庁ですし、食品衛生法に基づく飲食店の営業許可は、国民に権利利益を与える行政庁の行為ですから、行政処分ということになります。

つぎに、この行政処分に対して、「近隣の飲食店営業者が営業上の利益を害されるとして取消訴訟を提起した」とあるので、行政処分の相手方でない近隣の飲食店営業者が当該処分に対して取消訴訟を提起したといます。その訴訟提起の理由は、「営業利益を害される」ということです。

つまり、このような場合とは、簡単にいえば、行政処分の相手方でない者が、営業利益を害されるという理由で、処分取消訴訟を提起した場合です。

したがって、本問の「問い」は、行政処分の相手方でない者が、営業利益を害されるという理由で、処分取消訴訟を提起した場合に、裁判所は、ア、どのような理由で、イ、どのような判決をするかということになります。

これで、本問の「問い」は把握できました。

つぎに、2つ目の手順です。
「問いの形」から「答えの形」を作ること。

この問題の「問い」は、行政処分の相手方でない者が、営業利益を害されるという理由で、処分取消訴訟を提起した場合に、裁判所は、どのような理由でどのような判決をするかということでした。

この中で、私たちが端的に答えなければならない「問い」の中心となる「問いかけ」の部分は、「裁判所は、どのような理由で、どのような判決をするか?」の部分です。

その前の「~場合に、」の部分は、本問に答えるために与えられた事案ですから、ここは「問いかけ」ではないことになります。

この「問いかけ」の形に呼応するように、「答えの形」を作ってみましょう。

ここは、法律の知識がなくてもできます。

さぁ、考えてみてください!


「裁判所は、どのような理由で、どのような判決をするか?」という「問いの形」があったら、どういう「答えの形」を作りますか?

「裁判所は、○○という理由で、△△という判決をする。」という形になります。

「問いの形」にオウム返しで答えてあげれば、「答えの形」があっという間に出来上がり!

簡単ですね!
しかし、「記述式問題の答えが書けない」という方には、この作業ができてない人がすごく多いのです。この「答えの形」を作る作業を一つはさむことで、記述式の解答を作るのがかなり楽になります。

あとは、この「〇〇」や「△△」に当てはまる知識を頭の中から引っ張り出してくればいいのです。

つまり、法律知識なんか使わずに「答えの形」を作って、あとは多肢選択式問題のように「穴埋め作業」をすればいいのです。

これさえ分かれば、40字記述なんか怖くない!!


次回は、この「答えの形」に、答えるだけの知識を喚起しつつ、「答えの形」に、知識をはめ込んでいきます

おたのしみに。

(つづく)