【行政書士】

記述式問題対策講座・第11回



こんにちは。TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。暑い日が続いていますが、勉強のほうは順調に進んでいますか。また、平成28年度行政書士試験の願書のご提出はなさいましたでしょうか。早めにお申し込みくださいね。

第11回の今回から、民法の傾向と対策について見ていきます。民法の問題を解く実践も行っていきます。

【民法の傾向と対策①】
平成18年から昨年平成27年までの10年間に出題された出題テーマは次の通りです。


平成18年 問題45 債権各論(手付)
平成18年 問題46 物権(物上代位)
平成19年 問題45 債権各論(正当防衛)
平成19年 問題46 債権総論(金銭債務の特則)
平成20年 問題45 債権各論(賃貸借)
平成20年 問題46 債権総論(債権譲渡)
平成21年 問題45 債権総論(保証債務)

平成21年 問題46 物権(177条の第三者)
平成22年 問題45 債権総論(弁済による代位)
平成22年 問題46 債権総論(相殺)

平成23年 問題45 物権(抵当権消滅の方法)
平成23年 問題46 総則(表見代理と使用者責任)
平成24年 問題45 債権総論(保証人の検索の抗弁の要件)
平成24年 問題46 相続(遺留分)
平成25年 問題45 総則(無権代理人に対する責任追及)
平成25年 問題46 物権(盗品の回復請求)
平成26年 問題45 債権総論(詐害行為取消権)
平成26年 問題46 債権各論(他人物売買の売主の解除権)
平成27年 問題45 物権(占有の性質の変更)
平成27年 問題46 親族(嫡出否認の訴え)



記述式が始まった10年前からの出題科目についての傾向を概観してみると、最初の5年間は債権分野からの出題に偏っていましたが、最近の5年間は、各分野からバランスよく出題されています。
全体でいうと債権法分野からの出題5割5分、そのうち債権総論が半分以上を占めています。債権総論は民法の中では難しいところですが、それだからこそ、民法の理解を試すのに適している分野といえます。
また、昨年は債権法からの出題がなかったので、今年は、債権法から2題出題されることも考えて、対策を立てる必要があります。

民法の記述式問題の出題内容についてですが、平成19年問題45の正当防衛のように、過去、択一で出題されていない問題も出題されていたりしますが、他は概ね、基本条文・基本判例からの出題です。

したがって、今後の出題も、基本条文・基本判例からの出題が大きなヤマとなります。

出題パターンとしては、法律要件が問われる問題が中心です。

法律要件とは、

「〇〇の場合には、△△となる。」
「〇〇のときは、△△しなければならない。」


という形で作られている条文のうち、

「〇〇」の部分が法律要件
「△△」の部分が法律効果


ある「条件」(要件)が整うと、ある「結果」(効果)が生じる、
という関係でしたね。

ではどうして、民法の場合に法律要件が問われることが多いのでしょうか。
それは、法律要件に対して、法律効果のみだと、答えが短くなってしまうことが多いからです。例えば、「損害賠償請求できる。」「解除できる」「時効消滅する」というように。


でも、これらの効果が発生するための法律要件となると事例によって異なり、かなりのバリエーションがあります

例えば、同じ損害賠償請求という法律効果が発生する場合であっても、「不法行為に基づく損害賠償請求」もあれば、「債務不履行に基づく損害賠償請求」もあり、それぞれ、不法行為の成立要件、債務不履行の成立要件は異なる、といった具合です。

したがって、事例とその場合の法律効果を示した上で、「この法律効果が生じるための法律要件は何ですか?」と問われることが多くなるわけです。

そのような法律要件を問うものに加えて、複雑な事例を整理させてそこに生じている法律関係が問われたり、条文の趣旨が問われたり。出題のバリエーションも増えてきています。

それに対応するための対策としては、条文や判例が具体的にどのような事例で適用されるのかを意識して、生きた条文知識・判例知識に育てていくことが肝要だといえます。

そして生きた条文知識・判例知識を育てるコツとは・・・

5肢択一式の過去問にある事例問題を題材として、法律関係図を書きながら、適用される条文は何か、その場合の法律効果と法律要件は何かを考えてみることです。さらにそれを何度も繰り返しましょう。



次回は、実際に民法の問題を解いていきましょう
おたのしみに。

(つづく)