【行政書士】

記述式問題対策講座・第12回



こんにちは。TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。
たびたびになりますが、受験願書は提出されましたか。締切が迫っていますので、おはやめに。

さあ。今回は、民法の問題を実際に解いていきます。まずは、実際に出題された問題を見てみましょう。
【平成18年・問題46】です。

AはBに対して3000万円の貸金債権を有しており、この債権を被担保債権としてB所有の建物に抵当権の設定を受けた。ところが、この建物は、抵当権設定後、Cの放火により焼失してしまった。BがCに対して損害賠償の請求ができる場合に、Aは、どのような要件のもとであれば、この損害賠償請求権に対して抵当権の効力を及ぼすことができるか。40字程度で記述しなさい。


まず、「問い」を正確に把握してみましょう。なかでも、「問い」の核心となる部分はどこでしょうか。文末に注目です。

本問では、

Aは、どのような要件のもとであれば、この損害賠償請求権に対して抵当権の効力を及ぼすことができるか。

という部分が「問い」の核心になります。

つまり、私たちが答えなければならないのは、Aが損害賠償請求権に対して抵当権の効力を及ぼすための要件です。

しかし、これだけでは解答できません。どのような事案において、この「問い」答えるのかが分からないからです。

そこで、その前の部分に目を向けると、「~ができる場合に」とあります。これが、本問を答えるために与えられた事情です。

「問い」を解くためには、Aが抵当権を及ぼそうとしている「この損害賠償請求権」がどのような損害賠償請求権なのかを把握する必要があります。

そこで、本問の「この損害賠償請求権」を分析します。

まず、「AはBに対して3000万円の貸金債権を有しており、この債権を被担保債権としてB所有の建物に抵当権の設定を受けた。」とあります。つまり、Aの有している抵当権は、

Bに対する3000万円の貸金債権を被担保債権として、B所有の建物に設定した抵当権

ということになります。

つぎに、「建物は、抵当権設定後、Cの放火により焼失してしまった。」とありますので、

Aの抵当権の目的である建物は滅失

したわけです。

さらに、「BがCに対して損害賠償の請求ができる場合」とありますから、

Bは建物を失った代わりに、放火という不法行為を行ったCに対して損害賠償請求権を取得

したわけです。

したがって、本問の「この損害賠償請求権」は、

Aの抵当権の目的であるB所有の建物がCの不法行為により滅失したため、BがCに対して取得した不法行為に基づく損害賠償請求権

ということになります。

以上より、本問は、

Aは、どのような要件のもとであれば、Aの抵当権の目的であるB所有建物がCの不法行為により滅失しBがCに対して取得した損害賠償請求権に対して抵当権の効力を及ぼすことができるか。

というのが具体的な「問い」ということになります。

これで、本問の「問い」を把握できました。
つぎは、この「問い」に答えるために必要な知識は?


次回も引き続き、民法の問題を解いていきましょう。
おたのしみに。

(つづく)