【行政書士】

平成28年度行政書士試験を振り返る
(本試験講評・記述編)


こんにちは。TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

まずは、平成28年度行政書士試験の受験、おつかれさまでした。

受験者は、試験を終えて、
「実力を発揮できたぞ!」
「得意なテーマが出てよかった。」
「あの問題でミスしちゃったなぁ。。。」
など、いろいろな思いがあると思います。

結果は、合格発表があるまで分かりません。
しかし、私は、受験が終わったらいつも受験生に向けて言う言葉があります。
受験までは、
自分は絶対に合格するつもりで学習する。
受験が終わったら、
落ちたつもりで学習を始める。


試験後、合格発表まで、勉強を続けることが大切だということです。
合格していれば、試験後、合格発表まで勉強しないとしても、よいですが、もし、不合格だった場合には、試験後から合格発表までの約3ヶ月のブランクを取り戻すのは大変です。

行政書士受験を終えた今が、行政書士試験に関する知識がピークの状態です。試験後で疲れているかもしれません。しかし、備えあれば憂いなし。この知識を向上させないまでも、この知識をキープすることは必ずやっておきましょう。

そして、これから学習を再開するにあたって、勉強の方針を決めることは大切です。そのために、今年の本試験を分析することは必須です。その、一助として、今年の本試験を振り返っていきたいと思います。

まずは、みなさんが一番気になるところだと思います。記述式問題について振り返ってみましょう。

≪記述式問題の振り返り≫
まず難易度から
行政法の問題44-易しい問題
民法の問題45-易しい問題
民法の問題46-超難問


≪行政法の問題44≫
(TAC作成の解答例)
地方自治法に定められ、普通地方公共団体の長により科され、この制裁を秩序罰と呼んでいる。
(43字)

一般的な法理論から秩序罰に関する問題でした。平成25年の問題42の多肢選択式問題では、まさに本問の答えが書かれている問題となっています。過去問を丁寧につぶしていれば、満点も不可能ではない問題でした。

(私が考える採点基準)
地方自治法に定められ・・・・・・・・・6点
普通地方公共団体の長により科され・・・6点
秩序罰と呼んでいる・・・・・・・・・・8点



≪民法の問題45≫
(TAC作成の解答例)
抵当権の行使によりAが甲の所有権を失ったときに、契約の解除および損害賠償請求を主張できる。
(45字)

債権各論から売主の担保責任に関する問題でした。担保責任の要件と効果を問う問題です。典型テーマですから、準備されていた方も多いのではないでしょうか。ここも、満点も不可能ではない問題といえます。

(私が考える採点基準)
抵当権の行使により・・・・・・・・・4点
Aが甲の所有権を失ったときに・・・・4点
契約の解除・・・・・・・・・・・・・6点
損害賠償請求・・・・・・・・・・・・6点



≪民法の問題46≫
(TAC作成の解答例)
夫婦の実質上の共同財産の清算分配、離婚後の相手方の生活の維持、精神的損害の賠償という内容。
(45字)

本問は、超難問でした。財産分与の目的と機能に関する問題です。2年連続、親族法から出題されたことにも驚きでしたが、内容的にも「財産分与の目的・機能」についての判例の解釈、文言を問う問題でした。家族法の分野は、択一では条文知識が問われることがほとんどですから、記述用として、親族法に絡む判例の知識を準備できる受験生はほぼ皆無といってもいいのではないでしょうか。現場思考で、財産分与の趣旨を導き出せるか。その思考力を試すような問題でした。得点自体が難しい問題といえます。

(私が考える採点基準)
夫婦の実質上の共同財産の清算分配・・・4点
離婚後の相手方の生活の維持・・・・・・4点
精神的損害の賠償という内容・・・・・・6点
損害賠償請求・・・・・・・・・・・・・6点


以上からすれば、問題46で得点することは期待できませんが、問題44、45は典型テーマですので、合格者レベルで、3問合計30~36点前後の得点は可能といえます。

難しい問題を解けるようにするために、学習範囲を広げるのではなく、基本的な問題で失点しないように、基礎を徹底的に固めること。

これが記述式問題で求められていると考えられます。


次回は、法令択一を少しずつ振り返っていきたいと思います。