【行政書士】

平成28年度行政書士試験を振り返る
(法令択一編・商法)


こんにちは。TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

平成28年度行政書士試験の振り返り、今回は、行政書士試験の商法の択一問題を振り返っていきます。
先日実施したTACのWeb採点サービス(データリサーチ)上の正答率によって、以下のように分けています。

60%超  易しい(合格には得点しなければならない問題)
50%超~60%以下  普通(得点しなければならない問題)
40%超~50%以下  やや難しい(合否を分ける問題)
40%未満  難しい(不正解でも合否には問題ない問題)

≪商法の振り返り≫
商法では、出題分野は、例年と同じく、以下の通りでした。

商行為1問
会社法4問


商法は、民法と並んで、難しい内容になっています。5問中2問の得点が目標ラインです。

<商法・商法総則>
問題36 商法の適用 易しい
問題36の商法の適用についての本問は、やさしい問題でした。すべての肢が商法の基本事項でした。会社法での得点が難しいだけに、商法総則での得点は必須です。本問は、確実に正解したい問題です。


<商法・会社法>
問題37 株式会社設立における出資の履行 やや難しい
問題38 公開会社の発行株式 やや難しい

問題39 監査等委員会設置会社または 指名委員会等設置会社 難しい
問題40 合名会社および合資会社 難しい

会社法は、問題37~40すべての肢を正誤判断するのは難しい問題でした。
このうち1問得点できれば、良しとすべきです。
とはいうものの、容易に判断できる肢も、数肢含まれています。それらを確実に正誤判断して、正答率を少しでも上げて、解答することが必要です。
問題37は株式会社設立における出資の履行についての問題です。長文の問題になりますので、問題を一目見て飛ばした方もいらしたかもしれません。正解率は低くなっています。また、正解肢が後半にあるために正解までなかなかたどり着けなかったと思われます。しかし、肢エや肢オは簡単に正誤判断ができ、これだけ分かれば正解が出せた問題でした。正答率は低いですが、正解してほしい問題といえます。
問題38は公開会社の発行する株式に関する問題でした。本問は会社法の中では一番正答率が高く、60%近い正答率でした。また、肢アや肢イが簡単でしたので、消去法で正解肢の絞り込みをかけることができたとも思われます。正答率は高いので、商法総則の問題と併せて、本問も確実に得点したいもんでした。
問題39は監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社に関する問題でした。細かい論点ですし、近時の法改正も絡むところです。短文の問題でしたが難問でした。とはいえ、得点効率を考えると、次の問題40とも並んで、ここまでフォローするのは難しいと思います。テーマを観て、飛ばすのもアリです。
問題40は合名会社および合資会社に関する問題でした。テーマ的には、各種会社ということで、メイン論点ではありません。そのためか、正答率は非常に悪くなっています。法令択一最後の問題ということもあり、時間的な余裕もなかったのかもしれません。とはいえ、この問題も肢イ・ウ・オなど比較的容易に正誤判断できる肢はありました。肢イでは無限責任社員がいること、肢ウでは、持分が株式の定義になっていること、肢オでは、合名・合資会社では、社員が善管注意義務を負うこと、という基本的な肢を手掛かりとして、正解にたどり着きたいところです。
会社法は、組合せ問題が4問中3問であることも味方につけて、できるかぎり正解数を伸ばしたいところでした。


商法・会社法は、最初から捨て問とされている方も多いのが現状ですが、基本的な肢も出題されるため、基本的なところだけはしっかり押さえておき、「正解する」というよりも、「正答率を少しでも上げる」という感覚で学習を進めるとよいでしょう。
商法・会社法は、少なくとも2問、うまくいけば3問という得点感覚を持つとよいでしょう。

次回は、一般知識の5肢択一式問題について振り返っていきましょう。