【行政書士】
法令択一攻略講座➄


みなさんこんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池です。

2017年もあっという間に2月ですね。これから行政書士試験の学習も本格化してきました。TACのプレミアム・スタンダード本科生では民法の学習が始まっています。
民法は行政書士試験の中でも配点の高い科目ですから、この2月、3月はじっくり腹を据えて、民法に取り組みましょう。

それでは、今回の法令択一徹底攻略講座を始めましょう。
第5回は、民法全体になります。まずは、総論として、民法について概観しましょう。

民法」は、法律系の資格においては、必ずといっていいほど出題科目となっている法律です。それだけ実社会では民法が重要な役割を果たしています。
重要な役割とは、ごくごく簡単にいうと、人と人との争いごとを解決する役割があるんです。

例えば、私が家電屋さんでパソコンを買ったことを題材に考えてみましょう。
パソコンは1週間後に自宅に届けてもらう約束です。

1週間後。
パソコンが届きません。

2週間経過。
パソコンが届きません。

こんな場合、どうなると思いますか?

そうですね!気長で温厚な私でも、堪忍袋の緒が切れます(笑)。
そして、パソコンが届かない理由を家電屋さんに問い合わせます。

そこで家電屋さんは、いいました。
「配送の手違いで送付手続きが滞っておりました。誠に申し訳ございません。」
などと謝ってくれれ、それはそれは温厚な私ですから(笑)、
「ほんと、今度からは、気をつけてくださいね。」
と言って、争いにはならなかったかもしれません。

ところが家電屋さんは、
「お客様に届けるつもりだったパソコンを保管していた倉庫が、隣家からの火災のため燃えてしまいました。その事故について私に全く落ち度はありませんから、お渡しするパソコンはもうありません。」
と言うじゃありませんか。

「えーっ!そんな~。ちゃんとパソコン持ってきてくださいよ~。」
と言って、私は怒り心頭になります。いや、怒髪天を衝くかもしれません。

そして、話はこじれて、争いはどんどん深みへとはまっていくことに。。。

この場合、家電屋さんには落ち度がないからといって、パソコンを渡す必要はないのでしょうか。それとも、パソコンを新たに仕入れて、私に渡す必要があるのでしょうか。

このような争いが起こった場合にどうすればよいのでしょう?

こんな感じで、民法は、人と人との間に起こった紛争を解決する方法を定めているわけです。

ただし、一口に争いといっても、いろいろな争いがありますから、あらかじめ用意しておくべき解決方法も多くなります。そのため、民法の条文数は1000条余りと多いわけです。それこそ、憲法の約10倍の条文数になります。

また、民法が様々な紛争解決の方法を定めているので、出題形式も、「AさんとBさんに、かくかくしかじかの争いが生じました。さて、この場合どのように解決したらよいでしょうか?」というような具体的な事例を使った問題形式が中心となります。

ではここで、具体的に問題を解いてみましょう。
上記事例のような出題がありますので、それを素材に。
なお、分かりやすいように、若干問題を修正しています。

民法・出題例)

【問題】 Aが「もち米」を50キロを買う契約をB米店との間で行い、Bによる引渡しの準備がまだ終わっていない場合に関する次の記述は正しいか。

目的物(本問ではもち米)が特定(契約の目的となる50キロのもち米を確定させること)される前に、隣家の火災によりB米店の「もち米」すべてが焼失してしまった場合、その焼失はBの責任ではないので、Bは他から「もち米」を再調達して引き渡す義務はない。

正解は、誤りです。


この問題については、民法401条に規定があります。
【条文】
≪民法401条≫
(種類債権)
第401条
1 債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
2 前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。


2項のような場合を「種類物の特定」といいますが、本問では、また特定がなされていません。契約の目的物が特定する前に、Bの責任ではない事情によってその物が焼失しまっても、Bは新たにもち米を調達してAに引き渡す必要があります。

先ほどのパソコンの例に戻ると、家電屋さんは、私にパソコンを持ってくる必要があるわけです。
「あ~、パソコンが手元に来てよかった~。」
これで紛争解決です。

民法では、条文をただ覚えるだけでは不十分です。
1.提示された事例を把握する能力
2.事例に潜む法的な問題点を抽出する能力
3.民法の条文や、最高裁判所の判例を使って、その問題点を解決する能力

が必要です。そのような思考過程を経て、肢の正誤を考えていかなければなりません。


条文がそのまま出題されて、それを正誤判断するのが中心の行政法と比べると、
問題演習の積み重ねが必要な科目
それが民法です。
最初は、問題を解くのにも時間がかかるかもしれませんが、じっくりじっくり解いていくことで、民法の実力は上がっていきます。時間のあるうちに、問題演習を徹底的に行っていきましょう。

次回は、民法総則です!お楽しみに! 
(第5回 終了)

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この開講日は予約不要・無料で第1回目の講義(基本講義 憲法)を受ける事ができます。
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