【行政書士】
法令択一攻略講座⑥


みなさんこんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池です。


それでは、今回の法令択一徹底攻略講座を始めましょう。
第6回は、民法総則です。

民法典の構成は、ある項目全体に共通する一般的な事項を規定して、その後に具体的な事項が規定されるという方式がとられます。(これはドイツ民法典の方式で、パンデクテン方式といいます。)そして、民法共通の事項を規定しているのが民法総則です。

総則で重要なポイントは、以下の通りです。

★制限行為能力者制度★
例えば、小学生が3万円もするゲームを買ってきた場合、親はそのゲームをお店に返すことってできるの?など、一人で行動させるにはちょっと不安な人をどう保護するかなどの規定。




★意思表示★
例えば、「100万円あげるよ」って言ったら、冗談だったとしても100万円あげなきゃいけないの?とか、だまされて土地をすごく安く売ってしまった場合に、土地を取り戻すことってできるの?など、行為したときの「気持ち」をどう扱えばよいのかについての規定。




★代理★
例えば、友達に「1万円の中古テレビを買ってきて」って頼んだら、10万円もするデジタル対応の新品テレビを買ってきてしまいました。このようなときも、10万円は払わなければいけないの?など、他人を使って行為した場合の規定。




★時効★
例えば、お金を借りて、長い間返さなかったら、返さなくてもよくなってしまうことってあるの?など、時間の経過による人と人との関係の変化についての規定。




これらのポイントが理解できれば、民法の学習はすごく楽になります。

では、民法総則の問題を解いてみましょう。問題を解く前に、まずは下記の条文を読んでください。

【条文】
≪民法167条1項≫
債権は、10年間行使しないときは、消滅する。

(注)債権とは、人に何かを要求することができる権利です。

≪民法158条1項≫
時効の期間の満了前6箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から6箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は完成しない。

(注)成年被後見人とは、原則として、一人では法律的に完全な行為ができず、保護者である後見人が成年被後見人に不利益がないように代わって行動することになります。



民法・出題例)

【問題】
叔父は7年ほど前に重度の認知症になり後見開始の審判を受けました。配偶者である叔母が後見人となっていたところ、今年2月10日にこの叔母が急逝し、同年6月10日に甥の私が後見人に選任されました。
就任後調べたところ、叔父が以前に他人に貸し付300万円の債権が10年前の6月1日に弁済期を迎えた後、未回収のまま放置されていることを知り、あわてて本年6月20日に返済を求めましたが、先方はすでに時効期間が満了していることを理由に応じてくれません。
この債権について返還を求めることができますか。


正解は、「できます」と回答し得ます。

まず、事例問題は、問題文が長くなりますので、必ず相関図を書きましょう。私と叔父はどのような関係なのか。300万円はいつ誰が誰に貸し、現時点がいつなのか。矢印や記号を使って、当事者関係を正確に図式化してください。


つぎに、内容について、本問の債権は、今年の6月1日経過時点で10年が経過し、すでに消滅しているようにも思えます。しかし、成年被後見人の場合、時効期間が経過する前6ヶ月以内にもし後見人がいなければ、法定代理人が就任してからも6ヶ月は消滅時効が完成しません。

本問では、叔父の後見人の叔母は2月10日に急逝しています。つまり時効期間満了前6箇月以内にいなくなったということです。そうすると、甥の私が後見人に選任された6月10日から6箇月は債権は時効によって消滅しないことになります。

したがって、債権は時効で消滅しない以上、その債権に基づいて、叔父に代わって300万円の返還を求めることができるわけです。

次回は、民法物権です。お楽しみに。

(第6回 終了)




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