【行政書士】法令択一攻略講座⑦
民法物権


みなさんこんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池です。


さっそく今回も法令択一徹底攻略講座を始めましょう。
第7回は、民法物権です。
物権とは簡単に言えば、「物」に対する権利です。

その代表格は所有権

例えば、自分が大好きな漫画本を買ったとします。買った本は、いつ読むのも自由だし、人に貸すのも自由。捨てるのも自由だし、古本屋に売るのも自由。

このように、自分の物を自分の好きなように自由にできる、という権利が所有権です。

所有権以外にも、地上権、地役権、占有権など、様々な物権があります。
これらの権利はどのような内容なのかが法律で規定されていて、それを覚えることが、物権分野攻略の第一歩です。

私が買った漫画を人に売ると、それを買った人に所有権が移転して、今度は買った人がその漫画を自由にできます。

これを物権変動といい、この仕組みを理解することが、物権分野での最大の重要ポイント、出題ポイントです。

不動産の物権変動に関しては次の条文を理解することが重要です。

≪民法177条≫
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。


対抗する」とは、「主張する」というぐらいの意味です。
「この土地と建物は自分が買ったから、いまは自分の物だ。」ということを誰に対しても主張できるようにするには、登記をしないといけないというのがこの条文の意味です。

登記
とは、土地や建物の詳細についての記録で、法務局というお役所にその記録があります。

この条文に出てくる「第三者」の意味については、重要な判例があり、過去、記述式問題でも問われています。

判例によれば、第三者とは、
当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する者」です。

例えば、土地・建物を売った人買った人(この二人が当事者)は、所有権が移転したことを知っていますから、登記がなくても買った人は、売った人に対して、その土地・建物の所有権が自分にあることを主張できます。

また、自分が買った土地・建物に誰かが「勝手に入って」生活していた場合、この人には土地・建物を使う権利はありません。

このような人は正当な利益を有していないことになり、その土地・建物の所有権が自分にあることを主張できます。

では、この177条に関する問題を解いてみましょう。

民法物権・出題例)


【問題】
物権変動に関する次の記述は正しいか。(平成12年―問28抜粋)

イ A所有の甲地がBに譲渡され、さらにAB間の譲渡の事実を知っているCに譲渡されてCに所有権移転登記がされた場合、Bは登記なくしてCに対抗することができる。

オ A所有の甲地がBに譲渡されたが甲地には不法占拠者Cがいた場合、Bは登記なくしてCに対抗することができる。




【正解】
イ 誤り。
BとCはいずれもAから甲地を譲り受けています。
では、どちらが甲地は自分の土地だといえるのでしょうか。登記をしなければ、所有権は主張できないわけですから、先に登記をしたCが、甲地の所有権を主張できることになります。

オ 正しい。
AがBに譲渡されました。Bが甲地の所有権をA以外の第三者に主張するためには、原則として、登記をすることが必要です。しかし、Cは不法に甲地を占拠しているわけですから、正当な利益を有していませんので、第三者には該当しません。
つまり、BはCに対して、登記をしなくても自分が所有権を有していることを主張できます。




1、自分の所有権を主張するために登記をしているのか
2、登記をしていなくても自分の所有権を主張できるのか、つまり、所有権を主張しようとする相手方が177条の第三者といえるのか。

 
この2つの視点をしっかり押さえておくことが、物権変動を理解するコツです。

次回は、民法担保物権です。お楽しみに。
(第7回 終了)



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