【行政書士】法令択一攻略講座⑧
民法担保物権


いよいよ3月、季節は春になりました。私は花粉症があり、ややしんどい季節ではありますが、徐々に寒さが和らぎ、暖かくなっていく春は大好きです。
勉強も、春の勢いに合わせて、頑張っていきましょう!

今回の法令択一徹底攻略講座は、民法担保物権です。

「担保」という法律用語は、なかなか具体的なイメージができない言葉ですよね。
簡単にいうと
「担保」=「借金のかた」
です。


例えば、AさんがBさんにお金を貸しました。

Aさんは、社交界でも名の知れたロマンスグレーのいい男、ドーム球場30個分の広大な土地を有する超資産家52歳です。

一方、Bさんは23歳の若さで貿易会社を起業し、インドから輸入した算数の教育玩具を大ヒットさせた現在38歳の青年実業家です。Bさん、今度はブラジルで、見たこともないあま~いフルーツを発見。これを輸入して更なるヒットを狙っています。

その輸入資金はざっと1億2000万円。Aさんにお願いして資金を貸してもらいました。

(その後の展開・パート1)


Bさんの輸入したフルーツが大ヒット!
Bさんは、Aさんに借りた1億2000万円と利息、さらにはBさんの気持ちもつけて返しました。
これであれば、Aさんには何の文句もありません。

(その後の展開・パート2)


Bさんの目論見が外れ、輸入しようとしたフルーツが全く売れません。1億2000万円がまるまる損害となりました。
弱り目に祟り目。教育玩具で得たお金も投資に失敗。Bさんには財産がなくなってしまいました。
こっちの方はAさんにとっては大問題です。
貸したお金が多額ですので、さすがの超資産家Aさんもあきらめがつきません。が、Bさんには財産がないのでどうしようもありませんでした。悲しいやら、悔しいやら。

パート2の展開にならないようにするには、Aさんとしてはどうするか?

お金を貸すときに「借金のかた」をとっておくわけです。
つまり、Bさんの持っている土地や建物、有価証券や宝石などをあらかじめ預かっておきます。Bさんがお金を返してくれれば、預かった物はそのまま返します。
しかしもし、お金を返せなくなった場合には、Aさんは、預かった物を売ってお金に換えて、そのお金から貸した分を返してもらうようにしておくわけです。
そうすれば、Bさんがお金を返せなくなったとしても、Aさんとしては、損害を抑えることができるわけです。

ここで、宝石などは預かることができますが、土地や建物は持ち運びできませんから、法務局というお役所に備えてある登記という文書に、「この不動産は借金のかたになってますよ」ということが分かるような記録を残します。

このような「借金のかた」を「担保」といいます。
そして、担保の効力をもつ権利を担保物権といいます。

行政書士試験で最も重要なのは抵当権です。

これは、「不動産」を相手の手元に残したまま借金のかたとする権利です。不動産をこのような形で借金のかたにすることを、「抵当権を設定する」という言い方をします。

では、抵当権に関する問題を解いてみましょう。

民法物権・出題例)

【問題】
Aに対して債務を負うBは、Aのために、自己が所有する土地に抵当権を設定した(他の抵当権者は存在しない)。この場合における抵当権の消滅に関する次の記述は、民法の規定および判例に照らし妥当か。
(平成21年―問29抜粋)
ウ BがAに対し、残存元本に加えて、最後の2年分の利息および遅延損害金を支払った場合には、Aの抵当権は、確定的に消滅する。


【正解】
ウ・・・誤り


BさんがAさんに対して、借金を返せば、借金のかたは取り戻せます。

つまり、抵当権は確定的に消滅するわけです。この借金の中には、元本以外に利息や遅延損害金も含まれます。
例えば、お金を5年間借りていれば、5年分の利息なども払わなければならないのは当然ですよね。
そうすると、利息など最後の2年分だけ払っても、残り3年分の利息などの借金が残ることになりますから抵当権は消滅しないことになります。よって、この記述は誤りです。

ただし、他にも抵当権を設定した人がいる場合には、利息などは最後の2年分を返せばよいということがあります。(民法375条1項本文参照)。

しかし本問では、問題文にわざわざ(他の抵当権者は存在しない)とありますから、このことを考える必要はありません。

民法担保物権は、抵当権などがどのような内容をもっている権利なのかを覚えることがポイントです。

また、事案を正確に把握する能力も要求されますから、次回の債権総論と並んで、民法の中でも難しい分野といえます。
ただ、担保物権でコンスタントに得点できるようになれば、「民法は得意科目です!」と胸を張っていいと思います。
民法を得意科目にすべく、担保物権を頑張っていきましょう!!

次回は、民法債権総論です。お楽しみに。
(第8回 終了)





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