【行政書士】法令択一攻略講座⑨
民法債権総論


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
まだ、寒い日も多いですが、ふと見ると、桜のつぼみも徐々に膨らみ始めています。花見が待ち遠しいですね。いやいや。花見への想いもそこそこに、今週も勉強を頑張っていきましょう。

今回の法令択一徹底攻略講座は、民法債権総論です。

難しさでは担保物権と双璧をなす強敵です。

債権とは、人に何か行為をしてもらうことができる権利です。

例えば
⇒貸したお金を返してもらう
⇒有名なロックシンガーに自宅で演奏してもらう(贅沢!)
⇒牛丼屋で店員に牛丼特盛を作ってもらう(こっちも贅沢!笑)
などです。

債務とは、人に何か行為をしてあげなければならない義務です。

例えば
⇒借りたお金を返す
⇒ロックシンガーが友達の家でギターを弾いてあげる
⇒牛丼屋さんがお客さんに牛丼特盛を出す
などです。

このように、人と人との間に存在する権利・義務関係は様々なものが考えられます。そこで、債権・債務について整理して、債権・債務関係に共通の事項をまとめたのが債権総論分野です。

債権総論のポイントとしては、

① 債権債務はどういう場合に消滅するのか
⇒ex.弁済や相殺など



② 債務が果たされなかった場合の処理
⇒債務不履行といいます。



③ 債権債務に多くの人がかかわっている場合の法律関係
⇒多数当事者の債権債務関係といいます。


が特に重要です。


債権総論にかかわる条文は、様々な形で存在する債権・債務の共通項をまとめて規定しており、抽象的な条文が多いといえます。
そこで、債権総論を攻略するには、抽象的な条文の言葉を一つ一つ丁寧に噛み砕いて理解していくことが必要です。
そして、具体的にはどんな場面でその条文が適用されるのか、条文と具体的事例が結び付けられるようにしておくことです。

さっそく、債権総論に関する問題を解いてみましょう。


民法債権総論・出題例)

【問題】
A、B、C三人がDから自動車1台を購入する契約をし、その売買代金として300万円の債務を負っている場合に関する次の記述は正しいか。(平成20年―問33改題)
1 この場合の売買代金債務は金銭債務であるので不可分債務となることはないため、Dは、A、B、Cに対して、それぞれ100万円の代金支払い請求しかすることができない。
2 Aは、Dに対して、A、B、C三人のために自動車の引渡しを請求することができるが、Dは、A、B、C三人のためであるとしても、Aに対してだけ自動車の引渡しをすることはできない。


【正解】いずれも誤り
1 Dは、ABCに対して300万円で自動車を売ったわけですから、その代金を請求する債権を有しています。それでは誰からその代金をもらえばいいのか。金銭ですから、分割することも可能ですが、当事者の意思表示によって債権が不可分とされるときもあります。したがって、不可分債務となることはないというのは誤りになります。不可分債務であれば、債権者Dは、ABCの一人の債務者に対し、全部の支払いを請求することができます。
2 自動車を引渡すという債務は、給付の目的である自動車がその性質上分割することはできないので、不可分債務となります。この場合、債権者Aは、総債権者ABCのために自動車の引渡しの請求ができます。また、債務者Dは総債権者のために各債権者に対して、自動車を引渡すことができます。したがって、Dは総債権者ABCのためにAに対してだけ自動車の引渡しをすることができます。

この問題のように多数当事者が出てくる場合、事案は複雑になります。
債権総論では、複雑な事案を整理する能力も必要になりますから、事例問題を解くときには、必ず登場人物の相関図を書いて、事案を正確に整理・把握するようにしましょう。

次回は、契約総論です。お楽しみに。

(第9回 終了)





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