【行政書士】法令択一攻略講座⑩
民法契約総論


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。


今回の法令択一徹底攻略講座は、民法契約総論です。

私たちの生活は契約なしでは考えられません。
例えば、電気の供給は電力会社との契約、通勤電車に乗るのも鉄道会社との契約、診察してもらうのもお医者さんとの契約、インターネットを使うのもプロバイダとの契約、大好きな牛丼(大盛)を食べるのも牛丼屋さんとの契約(笑)。

身の回りで契約の関わらないことを探すのが難しいぐらいです。

このように契約には様々な種類がありますが、簡単に言えば、契約とは「約束」ですね。そしていろいろな「約束」の共通のルールが契約総論です。

「約束」はキチンと守るのが社会のルールです。
「契約」もキチンと守るのが大前提です。

しっかり契約を結び、契約を守れば争いにはなりませんから、民法では、しっかり契約を結ぶということはどういうことなのか、契約を守らなかったときはどう処理していくのかが規定されています。

契約総論の学習のポイントとしては、

①どういう場合に契約が成立するのか
⇒特に隔地者間の契約
②契約が成立すると相手に何が言えるのか
⇒特に同時履行の抗弁
③契約違反をした場合にはどうなるのか
⇒特に債務不履行と解除


というところにあります。

契約総論にかかわる条文も抽象的な条文が多いですが、契約自体身近ですので、身近な例をイメージしながら学習をすすめると比較的、容易に理解が進むと思います。

では、契約総論に関する問題を1つ。
近時、実務的な問題が増えていると言われていますが、それも少し実感してみましょう。

【問題1】
契約の成立に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(平成4年―問31抜粋)

4 承諾の期間に遅延した承諾は、申込者において新たな申込みとみなすことができる。

【正解】
4 ○ 523条がこのように定めています。


これは、平成4年出題の問題で条文知識がそのまま問われています。
次の問題は平成19年に出題された問題ですが、知識としては同じ条文が問われていますので、上記の条文がしっかり理解できていれば解けるはずです。少々長いですがチャレンジしてみてください。


【問題】
AはBから中古車を購入する交渉を進めていたが、購入条件についてほぼ折り合いがついたので、Bに対して書面を郵送して購入の申込みの意思表示を行った。Aは、その際、承諾の意思表示について「8月末日まで」と期間を定めて申し入れていたが、その後、契約の成否について疑問が生じ、知り合いの法律家Cに相談を持ちかけた。次の記述のAの質問のうち、Cが「はい、そのとおりです。」と答えるべきものはどれか。(平成19年-問33抜粋)

イ 「Bには、『8月末日までにご返事をいただきたい』と申し入れていたのですが、Bの承諾の意思表示が私に到着したのは9月2日でした。消印を見るとBはそれを9月1日に発送したことがわかりました。そこで私は、これをBから新たな申込みがなされたものとみなして承諾したのですが、契約は成立したと考えてよいのでしょうか。」


【正解】
イ 「はい、そのとおりです。」と答えるべき肢です。
申込者は、遅延した承諾を新たな申込みと見なすことができます(523条)。Aは「8月末日までにご返事いただきたい」としていたわけですから、9月2日に到着したBの承諾の意思表示は、遅延した承諾になります。したがって、Aは、Bの承諾の意思表示を新たな申込みと見なすことができるので、それに対して承諾すれば契約は成立することになります。よって、「契約は成立したと考えてよいのでしょうか。」というAの質問に対して、「はい、そのとおりです。」と答えるべきということになります。


条文の丸暗記では、平成19年の問題を解くのは難しいといえます。
ただ、どのような場面を想定した条文なのかを考えながら学習していれば、問われているのは条文そのままの知識ですから、それほど難しい問題ではありません。このような実務的な問題は今後も増えると思われますから、条文学習の際には必ず具体的な場面をイメージしておくようにしましょう。

次回は、契約各論です。いよいよ民法も終盤です。
頑張っていきましょう!!!
(第10回 終了)





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