【行政書士】法令択一攻略講座⑪
民法契約各論


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。


今回の法令択一徹底攻略講座は、民法契約各論です。

契約各論は、個別の契約類型について、それぞれの契約の内容が問われます。契約の内容を条文にしたがって覚えていくという分野ですので、民法の中では比較的容易なところです。


また、私たちは「契約の中に埋もれて生活している!」といってもいいぐらいたくさんの契約と関わっていて、契約各論に関する条文を容易にイメージでき、理解しやすいからです。

例えば、私の一日。

朝起きて歯を磨いて口をすすぐ(水道局との水の供給契約)。

トースターでパンを焼いて食べる(電気会社との電気供給契約)。

通勤電車に乗る(鉄道会社との旅客運送契約)。

売店で新聞を買って読む(売店との売買契約)。

会社で仕事を頑張る(会社との雇用契約)。

昼休みは、近くの蕎麦屋へ行くが、財布を忘れたことに気付き、同僚からお金を借りる(同僚との金銭消費貸借契約)

天そばの予定を変更してもりそばを食べる(蕎麦屋との売買契約)。

仕事に戻り、同僚からボールペンを借りる(同僚との使用貸借契約)。

会社が終って自宅(借家)へ帰る(大家さんとの賃貸借契約)。

ゆっくりNHKのニュースを見る(NHKとのTV受信契約)。

夕食後、子どもたちと遊ぶ(子どもたちとの夕食後に遊ぶ契約。笑)

ざっと、こんな感じです!

学習のポイントとしては、

民法に規定されている13種類の契約の形態と特徴を覚えること




想定外のことが起こった場合についての判例の処理を理解すること


を理解します。これだけをひたすら繰り返してください。

今回は、事例問題(平成10年・第30問・選択肢1)を用意しました。
事例問題のリアリティーを感じてみてください。

民法債権各論・出題例)

【問題】
【問題】民法上の賃貸借に関する次の記述は、判例に照らし正しいか。
1 Aは、Bの土地を借り、自分名義で店舗を建て、内縁の妻であるCと共同で飲食店を営んでおり、Bもそのことを知っていた。その後、Aが死亡し、Aの相続人がBの承諾を得ることなく当該店舗と土地の賃借権をCに譲渡した。この場合、賃貸人Bは、土地の賃貸借契約を解除できない。


【正解】正しい
前提知識として、相続する人(相続人)は相続される人(被相続人)が亡くなれば、その地位を全て引き継ぎます。内縁の妻(法律上の配偶者でない妻)は相続人ではありませんから、内縁の夫が亡くなってもそれだけでは、夫の地位を引き継ぐことはありません。
賃借人は、原則として、賃貸人の承諾がなければ賃借権を譲渡できず賃借人がこれに違反したら賃貸人は契約を解除できます(612条2項)。
賃貸人は、賃料を取って物を貸していますし、その人だから信頼して物を貸しているわけです。それなのに、自分の知らないところで借り手がころころ変わっては、だれに賃料を請求すればよいか分からなくなってしまいますし、必ずしもあらたに賃借人となった人が信頼できるとは限らないからです。そうすると、本問では、相続人が賃貸人の承諾を得ないで賃借権を譲渡していますから、賃貸人は解除できそうです。
しかし、承諾なく賃借権が譲渡されても、譲渡前との関係がほとんど変わらず、信頼関係がなくならない場合には、賃料も入ってきますし、わざわざ契約を解除するまでもないわけです。そのような場合でも賃貸人が解除できるとすれば、賃借人はその家を追い出され路頭に迷うかも知れずかわいそうです。そこで、判例は、賃借権が賃貸人の承諾なく譲渡されても、賃貸人に対する信頼に背くようなことがない場合には解除できないとしました(最判昭39.6.30)。
本問の場合も、CはAと一緒に飲食店を経営していたわけですし、Bもそれを知っていたわけですから、賃借人がAからCに変わっても、Bは特に困ることはありません。したがって、相続人からCへの賃借権の譲渡は賃貸人の信頼に背くようなことはないので、賃貸借契約を解除することは出来ないことになります。


次回は、契約に基づかない債権債務関係の代表格、不法行為です。
お楽しみに。
(第11回 終了)





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