【行政書士】法令択一攻略講座⑫
民法不法行為


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。 東京では、桜が満開になりました。新年度が始まり、パリッとしたスーツを着たフレッシュマンを大勢見かけます。満員電車の中にいても、気持ちがスッとします。そして、私たちは、行政書士試験の合格に向けて、頑張っていきましょう。

今回の法令択一徹底攻略講座は、民法不法行為です。

不法行為は、その名の通り、法に反するような行為です。条文は709条~724条までで多くはありませんが、判例が多いところです。
まずは、条文の要件を正確確実に理解・記憶した上で、どのような事例で、不法行為が成立するのかを判断できるようにしておきましょう。民法の思考を試すにはちょうどよい分野です。

債権が発生するきっかけの中でも、東の横綱が「契約」だとすれば、西の横綱がこの「不法行為」です。

「不法行為」は一定の要件が整うと、当事者の意思に関係なく、「当然に」債権が発生します。
このことが、当事者の意思の合致で発生する「契約」との決定的な違いです。

発生するのは不法行為で生じた損害を償ってもらえる債権です。これを不法行為に基づく損害賠償請求権といいます。

ある晴れた日曜日の午後、Bさんファミリーが一戸建てを探しに不動産会社に訪れました。
営業マンAさんがさっそく物件のご案内です。

駅から15分、庭は南向きで心地よい陽の光がリビング一杯に溢れ、リビングは冬もあったか床暖房。奥様にはうれしいシステムキッチン。子どももよろこぶ広々お風呂。2階にはベランダ。部屋にはロフト。いうことなしの新築一戸建て4LDK物件です。

Bさんファミリー、一目見て気に入ってしまいご購入決定!

と、そのときです。うれしくて走り回っていた子どもが、リビングに飾ってあった花瓶を落として壊してしまいました。
Bさんは「弁償します。」とおっしゃってくださったのですが、「いえいえ、いいですよ。」とAさん。店舗に帰り、契約まで流れをご説明をして、来週のご来店をお約束。

その後Aさんは、来週、他のお客様をご案内する予定の物件の下見をしに営業車で外へ。契約も決まり気分が高ぶっていたのか、赤信号を見落とし自転車と接触(涙)。幸い人にケガはありませんでしたが自転車が破損。

この場合、Bさんの子どもが花瓶を壊してしまったことや、Aさんが自転車を破損してしまったことが不法行為の可能性ありです。
ただ、子どもが小さい場合には親が責任をとらなければいけなかったり、またAさんが営業中に起こしてしまった事故は会社も責任を負わなければいけなかったりということが規定されています。

学習ポイントは、不法行為の「効果」は損害賠償請求ですから、

「どのような場合に」不法行為が成立するかという「要件」の部分を条文で押さえること


不法行為が成立する事例を判例で押さえていくこと


になります。

では、不法行為に関する問題を解いてみましょう。平成21年第34問の肢3です。
民法不法行為・出題例)

【問題】 飲食店の店員が出前に自転車で行く途中で他の自転車の運転手と口論になり、ついには同人に暴力行為を働いてしまった場合には、事業の執行につき加えた損害に該当せず、店員の使用者は、使用者責任を負わない。


【正解】誤り 3 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負います(715条1項本文)。ここでは、店員が出前中に働いた暴力行為が「事業の執行」についてなされたといえるかが問題となります。
判例は、本問のような場合でも、「事業の執行について」第三者に加えた損害に当たるとしています。したがって、店員を使用している者は、使用者としての責任を負うことになり、暴力行為の相手方に生じた損害を賠償しなければなりません。


店員が外で行った暴力行為ですから、使用者が責任を負うというのはちょっとかわいそうな気がしますが、それだけ人を使うということには、重い責任がついて回るということなんです。

いよいよ次回は、民法最後の親族相続です。
(第12回 終了)





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