【行政書士】法令択一攻略講座⑰
行政不服審査法


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。
今回の法令択一徹底攻略講座は、行政不服審査法です。
前回の行政手続法は、国民の権利利益が行政に侵害されないように「事前の」予防線を張ることにその趣旨がありました。

ただ、いくら予防線を張っても、行政の暴走を止めることができない場合もあります。

そんな場合、国民だって「行政はどうなってんだ!!」なんて、文句を言いたくもなります。

でも、考えてみてください。

行政って国とか地方公共団体という巨大な組織ですよね。それに比べて、国民はちっぽけな存在です。

例えてみれば、行政は大きな象、国民は小さな蟻です。蟻が大きな象に巣を踏み壊されたので、その象に向かって大声で「なにすんだよ~っ!」って言ったけど、蟻の声はあまりに小さすぎて大きな象の耳は入らず、ただただ泣くばかり。。。

そこで、国民は、どうしたらよいのか考えました。
私たち国民は国会議員を通じて国会で法律を作れる!って。
法律で、行政に対して文句を言う方法を決めて、「国民から文句が出たときには行政は必ず聞くように!」って規定すれば、行政も国民から出た文句を無視できなくなります。

これを定めているのが、行政不服審査法です。
どのような場合に、どのような文句のつけかたをすればよいのか。方法としては、審査請求、再調査の請求、再審査請求などがあります。そのための手続についても規定されています。

この不服申立ての方法を、象と蟻の例を使って例えてみます。
まずは、文句を言うための拡声器を蟻に与えて、象に蟻の声が届くようにしておきます。
そして、子象が蟻に悪さをしたら、蟻から親象に対して、「子象が悪さしてきたから、親象は何とかしてください。」って、いえます。これが、処分庁の上級庁が審査庁だった場合の審査請求です。
また、ささいな悪さなら、直接子象に、「やめてください。」って言うこともできます。これが処分庁に対する再調査の請求です。

審査請求してもダメなら、今度は群れの長老に言いつけて何とかしてもらう。というのが再審査請求です。
ちょっと例えが強引すぎました(笑)。

行政不服審査法は大改正がありました。大改正後、択一の出題数が2問から3問に増えました。実務的にも重要な法律ですから、行政書士試験においての重要度も高まってきています。
5肢択一式のみならず、多肢選択式、記述式での出題も大いに考えられますので、条文は万遍なく学習するようにしましょう。

今回は行政不服審査法の問題を使って、ちょっとした択一テクニックを紹介します。


行政法・出題例)

【問題】
行政不服審査法に関する次の記述のうち、どちらが正しいか。
1 法令に基づく申請を却下し、または棄却する処分の全部または一部を取り消す場合において、審査庁が処分庁の上級行政庁である場合、当該審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、自らその処分を行うことができる。(平成28年問題16肢4)
2 審理員は、審査庁に所属する職員のうちから指名され、審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めなければならない。(平成28年問題15肢2)


【正解】
1 ×  法令に基づく申請を却下し、または棄却する処分の全部または一部を取り消す場合において、審査庁が処分庁の上級行政庁である場合、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずることはできます(46条2項1号参照)が、自らその処分をすることはできません(46条2項2号参照)。
2 ○  審理員は、審査庁に所属する職員のうちから指名され(9条参照)、審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めるとともに、これを作成したときは、当該審査庁となるべき行政庁および関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない(17条)。


この問題を解くときに、肢1から検討しますか、肢2からですか。
私は、迷わず2から検討します。なぜなら、肢が短いですから。

この問題では「どちらが正しいか」が聞かれています。
どちらか一方が誤りなら、どちらか一方は正しいことになります。
どちらが正しければ、どちらか一方は誤りということになります。
とすれば、どちらか1つを検討して、正誤が判断できれば、もう一方は検討しなくても、答えは出るわけです。
このことからすれば、どちらか一方を検討するなら検討事項が少ない短い肢から検討する方が断然効率的です。

この短い肢から検討するという方法は、5肢択一でも同じです。

肢1から順に解くより短い肢から順に解いた方が、時間の節約になりますし、長い肢よりは短い肢の方が圧倒的に検討要素は少ないわけですから、正確に正誤判断できる可能性が高くなります。

是非、実践してみてください。

次回は、行政法の大ヤマ、行政事件訴訟法です。お楽しみに。
(第17回 終了)





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