【行政書士】法令択一攻略講座⑱
行政事件訴訟法


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。
日々、暑さが増してきていますね。夏が本格化してくると、勉強の効率はどうしても落ちてきてしまいますので、体調管理には十分気を付けて、勉強を進めていきましょう。

そして今回の法令択一徹底攻略講座は、行政事件訴訟法です。行政事件訴訟法は、行政書士試験においても、択一3問の他、多肢選択式、記述式でも頻出する分野ですから、徹底的に理解し記憶していくことが必要となります。

行政事件訴訟法は、行政不服審査法とともに、事後的な不服の申立て方法について定めています。異なるのは、文句をいう場所です。

行政不服審査法では、「行政庁に対して」文句を言います。
行政事件訴訟法では、「裁判所に対して」訴えます。

行政庁に文句を言う場合、迅速に対処してもらえるという利点もありますが、文句を聞くのは処分した本人や身内です。

行政庁自身がいいと思ってしたことについて、「もう一度考え直して」と言っても、なかなかその行為をやめるとは言わないでしょう。また、自分や身内はかわいいものです。
なかなか第三者的な目線でものの良し悪しは判断できません。そこで出た結論が公正かというと疑問が残る場合もあります

そこで公正中立な裁判所に登場してもらいます。
第三者的な立場から双方の言い分を聞いてもらって、いいか悪いか、白黒はっきりしてもらおうというわけです。

ただ、裁判所としては、何でもかんでも訴えられても処理し切れません。そこで、訴えの方法についていろいろ規定されています。
重要なのは、行政庁の権力行使に対して不服がある場合の抗告訴訟です。その中でも重要なのは、どのような場合に裁判所が審理を始めるかという訴訟要件です。
「処分性」
「原告適格」
「訴えの利益」

が行政事件の三大訴訟要件です。
この訴訟要件についての判例は唸るほどありますので(笑)、一つ一つ判例を丁寧に押さえることが必要です。

抗告訴訟の中では、特に取消訴訟が重要です。
行政庁から何か嫌なことをされていて、それをやめて欲しいとき、「行為を取り消して!」という訴えです。取消訴訟を使って、訴訟要件とその判例マスターすることが行政事件訴訟法の知識のベースを作ることになります。

行政事件訴訟法の訴訟要件についての過去問を見てみましょう。



行政法・出題例)

【問題】
取消訴訟に関する次の記述は正しいか。
1 取消訴訟の原告適格は、処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限られるので、直接処分又は裁決を受けた相手方以外の者は、提訴することができない。(平成10年問題38)
2 取消訴訟を提起できるのは、その対象となっている処分又は裁決に違法がある場合に限る。(平成3年問題38)
3 特定の日に予定された公園使用の不許可処分の取消訴訟の係属中にその特定の日が経過した場合であっても、訴えの利益は失われない。(平成11年問題36)


【正解】
1 ×  取消訴訟の原告適格は、処分または裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限られる(行政事件訴訟法9条)が、必ずしも直接処分または裁決を受けた相手方に限られるわけではありません。(最判昭37.1.19)
2 〇  行政事件訴訟法10条。裁判所は違法かどうかを判断します。したがって、処分または裁決に違法がある場合に限られます。妥当性については判断しません。
3 ×  皇居外苑の使用不許可事件につき、判例は、使用を予定していた日(特定の日)の経過により判決を求める法律上の利益を喪失するとしています(最大判昭28.12.23)。


次回は、国家賠償法です。
頑張っていきましょう!!
(第18回 終了)





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