【行政書士】法令択一攻略講座㉑
商法


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

いよいよ主要科目の学習が一通り終わり、これからは復習や問題演習を徹底的に行う時期に入っていきます。
仕事しながら学習をする場合、学習に費やせる時間は短いですから、その限られた時間を、どのように効率的に学習を進めていくかが重要課題となります。
なかでも、科目の強弱のつけ方は悩ましい問題です。主要三科目といわれる憲法・民法・行政法は好き嫌いにかかわらず、確実に得点源にしなければなりません。
それでは商法・会社法はどのような位置づけで、学習を進めていけばよいのでしょうか。

商法・会社法は本試験では5問出題されます。
過去問のストックはあまり多くはないですし、その割に幅広く出題されるので、攻略はかなり難しいといえます。

合格者でも1~2問程度しか得点できなかったり。
学習方針が一番決定しづらい科目、第1位。
努力が報われない科目、第1位。
そんな科目が商法・会社法です。

ですので、商法・会社法は、得点源にしようとするのではなくて、「5問のうち2問は確実に得点できるようにしよう」という意識で学習するとよいでしょう。
出題される可能性が低いところではなく、出題可能性が高いところ、毎年出題されているところをしっかり学習しておくことです。ちなみに、頻出テーマは、
「設立」
「株式」
「機関(特に株主総会・取締役・取締役会)」

です。

商法は、簡単に言うと、商売人のする行為を扱います。ただし、行政書士試験における商法の出題のメインは会社法。
会社法は、会社のシステムを規定しています。そのシステムをひたすら覚えていくことが学習の内容になります。

ただ、漠然と覚えるのはなかなかつらい。そこで、それぞれのシステムの趣旨を考えます。
会社法は、
「会社運営・経営の効率性」
「会社の所有者(株主)をどのように守るか。」
「会社にお金を貸している人(会社債権者)をどのように守るか。」

この3視点が重要です。
この視点をもちつつ、会社法の規定を読むと理解が進みます。

出題された選択肢で、正確に正誤判断ができない知識が問われたとしましょう。この場合には、上記3つの趣旨に照らして、選択肢で問われているシステムが有効なものとして機能するのか、それとも機能しないのかを考えて、機能すると思われるというのであれば「○」とし、そうでなければ「×」とします。そうすると、意外と正解にたどり着けます。もし、これで正解にたどり着けない知識があれば、その知識は、意識的に覚えていきます。
そうすることで、暗記作業を極力少なくすることができます。

知識をすべて正確に覚えようとすると、商法・会社法は時間がかかります。しかし、上記のような方法で知識を固めていくと、仮に知らない知識が出題されても、現場思考で正誤判断ができることになります。そうすることで、時間をかけずに、ある程度得点できるようになります。

では、今回の過去問です。



商法・出題例)

【問題】
会社の合併に関する次の記述は正しいか。(平成18年―問39)
イ 合併の各当事会社は、会社債権者に対して、合併に異議があれば一定の期間内に述べるように官報に公告し、かつ、定款の定めに従い電子公告をした場合であっても、知れている債権者には個別催告する必要がある。
ウ 合併決議前に反対の意思表示をし、かつ合併承認決議に反対した株主は、合併承認決議が成立した場合には、株式買い取り請求権を行使することができる。
エ 会社の合併が違法である場合に、各当事会社の株主、取締役等、または合併を承認しなかった債権者は、その無効を合併無効の訴えによってのみ主張することができ、合併無効の判決が確定した場合には、将来に向かってその合併は無効になる。



【正解】
イ × 合併の各当事会社は、会社債権者に対して、合併に異議があれば一定の期間内に述べるように官報に公告、知れている債権者には個別催告をする必要がありますが、官報の公告に加えて、定款の定めに従い電子公告をした場合、個別催告の必要はない。(939条1項3号、789条2項・3項、799条2項・3項)
 ⇒ 会社債権者の保護
ウ ○ 785条1項・2項1号イ、797条1項、2項1号イなど。
⇒ 株主保護。
エ ○ 828条1項7号・8号、2項7号8号、839条など
    ⇒ 株主・会社債権者の保護



次回は基礎法学です。

(第21回 終了)





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