【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
3条


今回は、3条を読んでいきましょう。この3条は、天皇が行う行為(国事行為)はすべて、内閣の助言と承認が必要となり、内閣がその責任を負うことを定めています。


【3条】

天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。


天皇は、国事行為を行います。国事行為はたとえば、内閣総理大臣や最高裁判所長官を任命したり、国会を召集したり、さらには、衆議院の解散や、勲章などの栄典の授与などを差します(そのほか、国事行為の具体的な内容は6条と7条に規定されます。)

これらの行為は、非常に重要な行為になりますが、これらの行為を行うためには、内閣の助言と承認が必要となります。つまり、内閣が「それやりましょう。」という助言や、「それやっていいですよ。」という承認がないと、天皇は国事行為を行うことは出来ないことになります。

ここで、内閣は、国会の信任が存在根拠となります。「あなたを信用しているから、内閣総理大臣として行政権をお任せします。」と国会が言っているから、内閣総理大臣は内閣総理大臣となり得るわけです。そして、その内閣総理大臣が閣僚を選んで内閣が組織されるから、その内閣も国会に信任されているということになります。
さらに、国会は、日本国民の直接選挙で選ばれます。
この関係から、内閣もいうなれば国民の意思の下に置かれる事になります。
天皇の国事行為は、内閣の助言と承認に基づいて行われるわけですから、天皇の国事行為も、間接的ではありますが、国民の意思の下に置かれる事になります。
日本国憲法下では、国民に主権があるわけですから、そのように天皇の国事行為が国民の意思の下に置かれるのは論理必然的なこととなります。

この点について、明治憲法下では、内閣は、各閣僚は、天皇がすることを助ける立場にありました。


 【大日本帝国憲法 55条】

55条1項 国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス


天皇が、すべての国家権力を持ち、内閣はそれ助けるだけの役割ということでした。明治憲法下では、天皇に主権がありましたから、天皇が決めて、実行することになるわけですから、その天皇が国民の意思の下におかれるというのは、これも明治憲法下では論理必然ということになります。

しかし、繰り返しになりますが、現在、日本国憲法では国民主権原理を採用していますから、天皇であっても、内閣のコントロールの下に、つまりは、国民の意思の下に行動することが求められることになります。

このことは、天皇の行う行為は、内閣が決めて、それを内閣が言った通りに行っていくという、天皇の判断というものが入らない性質のものになります。ですから、天皇が行った国事行為の責任は、実質的にそれを決めていく内閣が負うことになります。天皇には責任がないことになります。


次回は、4条を読んでいきましょう。

それから、行政書士本試験まで2ヶ月を切りました。本試験まで、体調には十分留意してください。それでは引き続き、がんばっていきましょう。

以上




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