【行政書士】日本国憲法の話
-今だから、もういちど憲法を読み直そう-
5条


こんにちは!TAC行政書士講座・講師の小池昌三です。

今回は、5条を読んでいきましょう。5条は、摂政について規定しています。まずは、条文を読みましょう。

【5条】

皇室典範 の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。


摂政というと、歴史上登場する役職ぐらいに思っていらっしゃる方も多いと思います。たとえば、小学校・中学校の歴史の教科書に出てくるモノとしては、6世紀に女性の天皇である推古天皇を助けるため、摂政となった例があります。また、藤原氏の行った「摂関政治」でも、摂政が出てきます。平安時代のことですね。

この「摂政」という役職は、現憲法下においても、制度として存在しています。
そのような時に摂政が置かれるかについては、皇室典範が定めています。


 【皇室典範 第三章 摂政】

  • 第16条
  • 1項 天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
  • 2項 天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。
  • 第17条
  • 1項 摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
  • 1号 皇太子又は皇太孫
  • 2号 親王及び王
  • 3号 皇后
  • 4号 皇太后
  • 5号 太皇太后
  • 6号 内親王及び女王
  • 2項 前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。
  • 第18条 摂政又は摂政となる順位にあたる者に、精神若しくは身体の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、摂政又は摂政となる順序を変えることができる。
  • 第19条 摂政となる順位にあたる者が、成年に達しないため、又は前条の故障があるために、他の皇族が、摂政となつたときは、先順位にあたつていた皇族が、成年に達し、又は故障がなくなつたときでも、皇太子又は皇太孫に対する場合を除いては、摂政の任を譲ることがない。
  • 第20条 第16条第2項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。
  • 第21条
  • 1項 摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。
  • 2項 前項の場合において、同項の皇族が成年に達しないとき、又はその皇族に精神若しくは身体の疾患若しくは事故があるときは、天皇は、内閣の助言と承認により、皇室典範第17条に定める順序に従つて、成年に達し、かつ、故障がない他の皇族に同項の委任をするものとする。


摂政を置く場合については、天皇が未成年である場合に、また、重い病気を患っていたり、大きな事故にあったりして、職務を行えない場合に、皇室会議の議決によって、置かれることになります。摂政を置くことになります。
ここで皇室会議とは、内閣総理大臣を議長として、皇族2人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官1人の合計10人で構成される会議です。

日本国憲法下においては、現在まで摂政が置かれた事はありません。大日本帝国憲法下では、大正天皇が重病となり、のちの昭和天皇となる皇太子が1921年から1926年まで摂政となりました。

国事行為を摂政が行う場合、摂政の名ではなく、天皇の名で行うことになります。

直前期です。気を引き締めて引き続き、がんばっていきましょう。

以上




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