【社会保険労務士】「試用期間とは?」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「試用期間とは?」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 今日は5月27日。4月に入社した新入社員の方々にとっては、一番辛い時期かもしれません。会社に入って約2ヶ月。まだまだ仕事にも組織にも慣れない上、人間関係などにも苦しんで“出社拒否症?”になりかけている人もいることでしょう。とりわけ大学での4年間をいわゆる「ぐうたら」に過ごしてきた人(私がそうでした。)にとっては、毎朝早く起きることが何に増しても辛いことでしょう。私も新人のころは、眠い目をこすりながら、満員電車に乗り込み、朝8時からの早朝会議に出ていました。その会社の就業規則では、午前8時40分が始業時刻でしたが、ほぼ全員午前7時45分には出社して、8時から会議をしていましたね。今思えば不思議ですが、当時は、会社とはそういうものなんだろうな?と思っていました。それで何だかんだと残業して夜の8時過ぎまでは会社にいたので、1日の半分以上を会社で過ごしていました。(こんな生活が40年間も続くのかあ~~~と絶望的な気持ちでしたが、実際には、入社7年目に転職してしまいました。。。)

 ところで、通常、入社してから数ヶ月は試用期間と呼ばれる期間があり、私が20数年前に入社した会社においても、3ヶ月間は試用期間で、7月1日付けで本採用になったことを覚えています。

※試用期間を定めている企業の割合は73.2%であり、そのうち、3ヶ月程度よりも短く設定している企業は86.5%というデータがあります。(厚生労働省


 この試用期間中に各従業員の適性を観察し、問題がなければ、晴れて本採用となるわけですが、中には残念ながら、会社の要望する適性と合致しない場合もあります。このような場合、本採用をせず、解雇することが可能なのでしょうか??

※試用期間終了時の本採用拒否の有無について見てみると、『本採用しないことがあるが、ここ5年間に事例はない企業』が58.0%となっていて、一方、『本採用しないことがあり、ここ5年間に事例がある企業』は13.1%となっています。(厚生労働省)


 最高裁判所の判決では、「個々のケースに応じて判断すべきではあるが、試用期間中も解約権留保付の労働契約が成立しているとし、本採用の拒否は、留保された解約権の行使、実質的には解雇にあたるので、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として認められる場合は有効である」としています。つまり、一定の場合には解雇が認められることになります。

※解約権留保付の労働契約とは、「使用者と試用期間中の労働者との間の契約関係は、労働契約関係そのものではありますが、本採用に適しないと判断された場合には解雇できるように解雇権が留保された労働契約である。」という意味です。



 ただし、試用期間中の者を解雇する場合、その者が「14日を超えて引き続き使用された」後に解雇する場合には、使用者は労働者に対して、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません。(これは意外と知られていない法律です。)

 一般的に、日本の労働法は解雇に対しては、高いハードルを設けています。労働者にとって解雇通告は死刑宣告と言っても過言ではないので、再就職の難しい日本社会ではやむを得ない気もします。労働契約法第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されています。つまり、いったん正社員として雇用すると、相当な理由がない限り、解雇はしにくいという特徴があります。新入社員の皆さん、あと数ヶ月、本採用されるまでは死ぬ気で頑張りましょう!(もちろん、本採用された後も仕事を頑張るのは当然ですよ!!


つづく。