【社会保険労務士】
「児童・年少者の労働時間の規定は?」



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 読者の皆様は、「年齢計算に関する法律」というものをご存知でしょうか?それにより
ますと、人は、誕生日の1日前に歳を取ります。つまり、4月1日生まれの人は、翌年の
3月31日に歳を取るので、前年度の学年に入るというわけです。ところで今日は6月24
日。そこで6月25日生まれの有名人はいないかな?と調べていたら、歌手の平手友梨奈さ
んの誕生日でした。
 で、この平手友梨奈さん、2001年生まれの15歳で、今年4月6日にデビューした「欅坂
46」のセンターポジションを務め、そのデビュー曲「サイレントマジョリティー」(MV
の動画再生回数なんと1700万回超!!歌詞の内容がとりわけ素晴らしいと評判である。)
が、爆発的にヒットし、知名度も急上昇中で「山口百恵の再来」とも呼ばれています。
 歌番組などの出演も増えてきているのですが、気になるのは、彼女は、まだ中学生とい
うこと。(そういえば、山口百恵も桜田淳子もデビューは、中学生だったような?)
 読者の皆様の中には、「中学生を働かせてもいいのかい?」と、疑問に思う方もいらっ
しゃるかもしれませんが、映画の製作や演劇(歌手)の事業は、所定の手続を踏めば、い
わゆる「児童」でも労働させることができます。ちなみに「児童」とは、15歳到達年度の
末日
までの者(中学生以下の者)を指します。
 この「児童」の労働については、労働基準法56条で次のように規定されています。

『使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを
使用してはならない。』


 とされています。つまり、原則として、義務教育が終了するまでは、労働者として使用
することは、禁止されています。ただし、この規定には、例外がありまして、

 『非工業的事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が
軽易なものについては、所轄労働基準監督署長の許可を受けて、満13歳以上の児童
をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業につい
ては、満13歳に満たない児童についても、同様とする。』


 というわけで、児童も所定の範囲内で労働することは、可能となっています。この児童
の労働時間に関しては、さらに、労働基準法60条で次のような規定されています。

『使用者は、休憩時間を除き、修学時間を通算して1週間について40時間を超えて、
労働させてはならない。』
『使用者は、1週間の各日については、休憩時間を除き、修学時間を通算して1日に
ついて7時間を超えて、労働させてはならない。』


 つまり、中学生以下の者は、義務教育期間中なので、当たり前ですが学業優先というこ
とです。普通に学校に通っていれば、そんなに「労働」に割く時間はないということです。
もう1つ、生放送などを見ていて気になるのは、夜は、何時までなら労働させてもよいの
だろうか?という疑問です。深夜業に関しては、労働基準法61条で次のように規定されて
います。

『使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用し
てはならない。』


 ちなみに「満18歳に満たない者」のことを「年少者」と呼びます。「児童」との定義の
違いには注意が必要です。
 つまり、原則として、満18歳未満の者を午後10時すぎまで働かせてはならない、とい
うことです。24時間営業の飲食店のアルバイト等においては、この法律は覚えておかな
くてはなりません。では、「児童」は、何時まで労働させてもよいのでしょうか?
 「児童」は、原則として、午後8時から午前5時までは、就業禁止です。ただし、これ
についても、例外規定がありまして、多くの芝居・舞台は、午後9時終演ということが多
いですから、この「演劇の事業に使用される児童が演技を行う業務に従事する場合」だけ
は、特別に午後9時まで働くことが許されています。(午後8時以降出演禁止にすると、
芝居が成り立たなくなるからとのことです。)
 今の時代、高校への進学率が高くなっているので、中学を卒業してすぐ働く若者は減っ
ていますが、高校生になって、例えば夏休み期間中などにアルバイトを経験することもあ
ると思います。読者の方の中に高校生のお子さんがいらっしゃるご家庭では、満18歳未満
の年少者に適用される労働基準法をこの機会に少し意識してみるのもよいと思います。

つづく。