【社会保険労務士】
「老齢基礎年金の繰上げとは?」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「老齢基礎年金の繰上げとは?」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 現在、大相撲名古屋場所が行われていますが、名古屋場所というと、昭和52年の千秋楽結びの一番、輪島対北の湖の取組みを思い出します。輪島14勝、北の湖13勝1敗で迎えた直接対決は、輪島29歳、北の湖24歳という年齢からも、下馬評は北の湖が有利とされていましたが、約2分の大熱戦の末、輪島が勝ち、全勝優勝を果たしました。(youtubeで視聴可能です。)その元横綱、北の湖さんは昨年11月、62歳という若さで亡くなられました。私の子どもの頃「横綱」と言えば、輪島・北の湖でした。昭和51年~55年にかけて激闘を繰り広げ、その優勝回数は、輪島14回、北の湖24回、あの憎たらしいほど強かった北の湖さんが亡くなったというのは、本当にショックでした。
 ところで、平成 26 年簡易生命表によると、男性の平均寿命は80.50 年、女性の平均寿命は86.83 年となり前年と比較して男性は 0.29 年、女性は 0.22 年上回りました。平均寿命の男女差は、約6年ということで、生物学的にも男性は弱く、女性は強いんだなあと思い知らされる結果です。今回は、通常、保険料を滞納していない限り、すべての人が平等にもらえる「老齢基礎年金」について語りたいと思います。なお、似たような年金で「老齢厚生年金」というものがありますが、これは、第2号被保険者(サラリーマンやOL)であった期間を有していないともらえない年金です。
 それで、この老齢基礎年金ですが、原則として、20歳から60歳まで40年間(480月)保険料を納付し続けると満額(年間約80万円)の年金が、65歳から受給できるという仕組みです。1年間に80万円というのは少ないかもしれませんが、第2号被保険者(サラリーマンやOL)の場合は、これに加えて「老齢厚生年金」が支給されますし、第1号被保険者(自営業者など)の場合も、「国民年金基金」や「付加年金」という上乗せ制度がありますので、まじめに40年間保険料を納付していれば、制度上、公的年金だけで生活できることにはなっています。(私の両親も公的年金だけで、暮らしています。)

 ところで、原則として65歳から受給する老齢基礎年金ですが、最短で60歳からもらえる繰上げという裏技?があります。ただし、早くもらえる分、減額という代償はありますが。。。この繰上げ制度は、1月あたり0.5%の減額なので、60歳から受給する場合は、5年間(60月)繰上げるので、30%減額された年金が支給されます。つまり、80万円×70%=56万円の年金というわけです。
 さて、ここで読者の皆様だったら、年金を繰上げて受給しますか?それとも通常通り65歳から受給しますか?では、平均年齢80歳(男性)として計算してみましょう。

<65歳から80歳まで受給する場合>
80万円×15年=1200万円
<60歳から80歳まで受給する場合>
56万円×20年=1120万円

上記の計算から平均寿命まで生きる場合は、65歳から受給した方が得ですが、例えば、75歳までで考えてみると、

<65歳から75歳まで受給する場合>
80万円×10年=800万円
<60歳から75歳まで受給する場合>
56万円×15年=840万円

この場合は、繰上げ受給の方が得をします。実は、76歳までは繰上げて受給した方が得で、77歳からようやく逆転するという仕組みになっています。

<65歳から77歳まで受給する場合>
80万円×12年=960万円
<60歳から77歳まで受給する場合>
56万円×17年=952万円

 当然ですが、何歳まで生きるかは誰にも分かりませんので、繰上げて受給するのが良いのか悪いのかは、結果論でしか判断できません。
 もう1つ、年金の増額を狙う「繰下げ制度」というものもあります。これは1月あたり0.7%増額し、最大で5年間(60月)繰下げることができます。つまり、65歳で受給しないで70歳まで我慢すると、年金は42%増額します。
※80万円×1.42=約114万円となります。
 ただし、総支給額で繰下げのメリットが出てくる年齢は、82歳以降になりますので、本当に得になるかどうかは分かりません。「繰上げ」「65歳から」「繰下げ」といろいろな受給方法がありますが、最終的には自己責任で決めるしかありませんので、慎重に考えましょう。

つづく。