【社会保険労務士】
「もしも、重い病気にかかったら?」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「もしも、重い病気にかかったら?」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 7月12日、タレントの大橋巨泉さんが亡くなられました。ここ数年、高倉健さん、菅原文太さん、愛川欣也さん、と昭和の有名人が相次いで亡くなられて寂しい限りです。
 若い読者の方は知らないかもしれませんが、大橋巨泉さんの最大のヒット番組と言えば、何といっても、司会を務められた「クイズダービー」です。その最高視聴率は40%でした!!
 当時の土曜日の夜は、「クイズダービー」「8時だよ全員集合」「Gメン75」と午後7時30分から午後10時までは、TBSテレビだけを見ていた記憶があります。(3番組とも長寿番組で、その後のバラエティや刑事ドラマに多大な影響を与えました。Gメン75のオープニングの格好良さは、刑事ドラマの金字塔と言えるでしょう。)
 「クイズダービー」の特筆すべき点は、30分番組だったのですが、いわゆる「撮って出し」の手法で放送したことです。生放送ではなく収録番組ですが、その収録を30分で終わらす、つまりほぼ編集せず、そのまま放送していたので、あの独特の臨場感、スピード感があったのだと思います。
 ここ数年の巨泉さんは、執筆活動がメインで、「週刊現代」に死の直前の6月までコラムを連載されていて、その内容も読み応えのある素晴らしいものでした。とりわけここ最近の内容は、自らの死を覚悟したかのような鬼気迫るものでした。
 報道によると、巨泉さんは、何度もがんの手術を受けたそうです。今や日本人の2人に1人が「がん」になる時代なので、他人事ではありません。
 重い病気にかかると、現実的には治療費も心配です。
 「病院で治療したいけど、お金がないから、治療を受けられないよ。」
という人もいるかもしれませんが、健康保険には「高額療養費」という制度があります。
ひらたく言うと1か月の治療費が、あまりにも高額な場合は、一定額の自己負担額を支払えば、あとの治療費は、健康保険制度が補うという仕組みです。
 高額療養費制度は、所得によって5段階に区分されていて、実際にはかなり複雑(受験生泣かせなほど複雑です。)なのですが、一番分かりやすい例で説明しますと、

【具体例】
月給が25万円(標準報酬月額28万円未満)の人の場合
治療に要した費用の総額=50万円(1月あたり)
この場合、普通に考えると、自己負担は3割なので、15万円の自己負担になりそうですが、高額療養費制度を利用すると、自己負担額は、5万7600円で済みます。この自己負担額の上限は、所得が多くなるにつれて、変動しますので、月給が30万円(標準報酬月額28万円以上)の人の場合は、その自己負担額の上限は、約8万円になります。そして、標準報酬月額が83万円以上の場合は、その自己負担額の上限は、約25万円になります。
 なお、標準報酬月額というのは、健康保険料の算定をするとき等に用いるもので、下は第1級の5万8千円から、上は第50級の139万円まで、50段階に分かれています。そして、この標準報酬月額に基づいて健康保険料が徴収されますので、会社員の皆様にとっては、とても密接で重要なものです。(なお、厚生年金保険は、30階級に分かれています)
 この標準報酬月額は、原則として、毎年4月~6月の3か月の平均報酬額をもとに計算しますので、この3か月に普段より残業をしすぎると、標準報酬月額が高くなってしまい、その結果として、健康保険料も高くなるので注意が必要です。
 健康保険料に関しては、「協会けんぽ(主に中小企業)」と「健康保険組合(主に大企業)」によって、保険料の差があります。大企業などは、独自の「健康保険組合」を設立して、「協会けんぽ」より安い保険料を設定していますので、読者の皆様で会社員の方は、ご自分の給与明細を見て健康保険料がいくら天引きされているか注意してみましょう。

「俺、体が丈夫で、病気にならない自信があるので、健康保険から、脱退したいよ。」
と言っても、健康保険制度は、強制保険なので脱退することはできません。

つづく。