【社会保険労務士】
「付加年金は得か損か?」



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今日は、8月12日。1985年の日航機墜落事故から31年の月日が流れました。過ぎてしまえば、あっという間ですが、空の安全のためにも風化させてはいけない事件だと毎年思います。
さて、昨年のニュースで、いささか新鮮さには欠けるのですが、預金に関するかなり珍しい報道があったので紹介いたします。
新潟県の第四銀行が1915年(大正4年)に募集した「超長期」の「100年定期預金」が2015年に満期となり、預金証書を受け継いだ人から第四銀行へ問い合わせがありました。
そもそも「100年定期」という商品がすごいのですが。人間の平均寿命を考えると100年定期を購入しても、満期を迎えたとき、つまり100年後、その本人はおそらくこの世にはいないだろう。では、「何のために、100年定期を購入したのか?」
この100年定期預金は、大正天皇の即位を記念し募集されたという。利率は年6%の複利で、1円預けると100年後には339円になるとのこと。参考までに当時の小学校の教員の初任給は、10~20円の時代でした。
大正時代は、今の「核家族」とは違い「大家族」の時代であり、後の世代(子孫)に財産を残そうと考えた人も多かったのかもしれません。
預けた金額は、なんと300倍を超える計算になるのですが、貨幣価値の下落により受け取れる金額は「すずめの涙」。。。100年前の339円は、大金でしたが、現代では、牛丼1杯?にしかなりません。
そもそもの発端は、昨年秋ごろ「父の遺品を整理していたら、満期になる証書が出てきた」と第四銀行に問い合わせがあり担当者が調査を開始。「証書は有効だが、解約しても額面の数字しかお支払いできない」という回答だった。問い合わせた人たちは「記念に保管します」という人が、ほとんどだという。(個人的な感想として、もし、デフレだったら、銀行は、額面通り支払うのかな?という疑問は残ります。)

さて、この話題を聞いて、読者の皆様は「年金」のことを思い浮かべたことでしょう。「老齢年金は、大丈夫なのかな?」と。ご存知の方も多いとは思うのですが、老齢基礎年金や老齢厚生年金は、物価や賃金の上昇率等を加味して計算されているので、インフレ等が起きても、一応大丈夫なようになっています。

ところが、同じ公的な年金でも「付加年金」は、仕組みが異なります。
付加年金というのは、第1号被保険者(自営業者等)の人だけが受給可能な独特の年金制度です。第1号被保険者の人は、毎月16,260円の保険料を納付します。そして、希望者はそれに加えて毎月400円の付加保険料を納付することができます。
月々400円を納付し、65歳になったら、付加年金という形で、「200円×付加保険料納付済期間の月数」の金額の年金を受け取ることができます。

例えば、40年間(480月)付加保険料を納付した場合は、保険料の総額は、400円×480月=192,000円。一方、受給額は、200円×480月=96,000円(年額)となる。つまり、2年間で納付した保険料の元が取れることになります。



65歳から受給し始めて、67歳で元が取れて、後は長生きする分だけ得をする。何だか話が上手すぎるなあと思う人もいることでしょう。実は、付加年金には欠点があります。それは、物価や賃金の上昇と連動しないということです。
ある人が、20歳から60歳まで、コツコツ付加保険料を納付したとして、65歳から、96,000円の付加年金を受け取るわけですが、その40年間で、貨幣価値がどれくらい変動するかは、誰にも分かりません。
今から40年後、おそらく、物価は上昇していると思いますので、そう考えると「付加年金」というのは、インフレリスクを抱えているわけです。ただし、ここ数年の超低金利の世の中が、あと40年間続くと仮定すると、とてもお得な年金と言えます。
「付加年金」に興味を持った人も多いと思いますが、現在のところ、この制度は、第1号被保険者に限定の制度なので、第2号や第3号被保険者の人は利用することはできません。

※受験生の方は、試験当日というのは想定外のことが起きる可能性があるので、本試験会場を1度は下見に行った方がよいと思います。

つづく。