【社会保険労務士】
「最年少記録と士業の品位」



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こんにちは。9月3日に東京の将棋会館で行われた奨励会の第59回三段リーグの最終日において、藤井聡太三段が13勝5敗の成績を挙げて1位に入り、14歳2か月の史上最年少記録でプロ棋士(四段に昇段)になりました。マスコミも注目し、翌日の毎日新聞の朝刊の1面を飾りました。
※四段に昇段できるのは、半年で2名、1年間で、わずか4名の狭き門です。東大に合格するより難しいと言われています。

藤井新四段は愛知県の生まれで、5歳のときに将棋を覚え、その後、2012年9月の10歳のときに奨励会に6級で入会しました。(プロの6級=アマチュアの五段と同じくらいの棋力です。)その後は2014年に初段、2015年10月に13歳2か月の最年少記録で三段に昇段と、異例のスピードで昇進していきました。

しかし、どんなに強くても超難関の三段リーグを勝ち抜くのは至難の業です。藤井は今年4月に始まった三段リーグ(出場者は29名)で順調に白星を重ねて昇段争いに加わり、12勝4敗で最終日を迎え、残りの2局を1勝1敗で乗り切り、四段昇段を果たしました。

なお、正式には10月1日付で四段に昇段するのですが、従来の記録は、最近、TV番組でも人気のある「ひふみん」こと、加藤一二三九段の14歳7か月でした。中学生プロ棋士の誕生は、加藤九段、谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王に次いで藤井が5人目です。上記の4名は、いずれも「名人」又は「竜王」のタイトル経験者です。

加藤九段は「現役最年長(76歳)の私が、最年少の藤井四段と対局できると考えるとわくわくいたします」と語りました。新旧の最年少四段昇段記録を持つ両者の対局をぜひ見たいものです。ただ、現在、C級2組順位戦(一番下のクラス)でぎりぎりの立場に追い込まれている加藤九段は、今期、降級点を取ってしまうと、3月で引退に追い込まれてしまいますので、加藤九段の成績も注目です。

一方、社会保険労務士試験の最年少記録を調べてみると、昨年の合格者の最年少は21歳でした。過去には、2011年の試験で20歳の合格者がいて、この人が最年少のようです。

なお、社労士法第5条に「未成年者は、社会保険労務士となる資格を有しない」という規定があり、社会保険労務士の登録は、20歳からとなっています。

ところで、社労士法第14条の7には、次のような規定があります。
「全国社会保険労務士会連合会は、労働保険料徴収法、健康保険法、厚生年金保険法、国民健康保険法、国民年金法、介護保険法などの定めるところにより納付義務を負う保険料について、社会保険労務士登録の申請をした日の前日までに、これらの法律の規定に基づく滞納処分を受け、かつ、その処分を受けた日から正当な理由なく3月以上の期間にわたり、その処分を受けた日以降に納期限の到来した保険料のすべてを引き続き滞納している者は、社会保険労務士の登録を拒否しなければならない。」という規定があります。

条文で書くと難しく見えるのですが、ひらたく言うと、「労働保険料や社会保険料を滞納している者は、たとえ、社会保険労務士試験に合格したとしても、登録することはできませんよ。」という意味です。これは、常識で考えれば、その通りなわけで、社会保険労務士が国民年金保険料などを滞納していては、「社会保険労務士」と名乗る資格はないですよね。

また、「社会保険労務士の信用又は品位を害するおそれがある者その他社会保険労務士の職責に照らし社会保険労務士としての適格性を欠く者」も、登録を拒否されます。

これは、たとえば、昨年世間を騒がせた「社員を合法的にうつ病にさせて退職に追い込む方法」などをブログに書いて問題になった社会保険労務士がいましたが、社会保険労務士以前に人としての問題であるとも言えます。勉強が誰よりも出来るからと言って、よい社会保険労務士になれるわけではありません。他人の心の痛みを理解できなければ何の意味も持たないと思います。(すべての士業に共通して言えることでしょう。)

来年8月の本試験に向かって、ただ「合格」するだけではなく、合格後、どんな社会保険労務士になりたいのかをイメージして、学習を始めてみましょう。


つづく。