【社会保険労務士】
「 【15】という数字にまつわる不可解な事情 」



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こんにちは。今日は10月21日。TV朝日系列で、先週水曜日から人気刑事ドラマ「相棒シーズン15」(主演・水谷豊さん)が始まりました。今年で15年目になる長寿番組で、私もファンのひとりなのですが、正直に言うと、6年前の「シーズン9」が脚本的にはピークだったような気がします。。。
シーズン9では、15年間の最高傑作の第8話「ボーダーライン※1」と、小野田官房長(演者・岸部一徳さん)の死※2が描かれ、その視聴率も絶頂を迎えましたが、その後のシリーズは、どこで最終回にするか、迷走しているように思えます。
※1 非正規労働者の悲劇的な最期を、真正面から取り上げた社会派の力作で、ファンの人気投票でも1位の名作です。(他人事には思えない、現実的な脚本が支持されています。)
※2 水谷豊さんの「官房長!!!」という台詞が有名なシーンです。

さて、昔から「15年限界説」というのがテレビ業界にはあって、「必殺シリーズ(昭和47年~昭和62年)」や「太陽にほえろ(昭和47年~昭和61年)」なども、15年間で終了しています。「必殺」も「太陽」も子どものころ見ていましたが、次第に番組のパワーが衰えていったことを覚えています。
ただし、「必殺シリーズ」は、現在でも年に1本ずつ新作(主演・東山紀之さん)が放送されていて、その人気の継続は驚くばかりです。9月に放送された新作も、昭和40年代後半の作風を上手く取りいれた秀作でした。(東山さんの演技が、徐々に故・藤田まことさんが演じた中村主水に似てきていると感じました。必殺の話題は、いずれまた。)

ところで、先週は「20」をキーワードに話を進めましたが、今週は「15」をキーワードに話を進めたいと思います。

さて、読者の皆様の中で、社労士の学習が2年目以降の方は、一通り試験科目についての知識が身についていると思いますが、果たして、試験科目の中で「15」という数字が出てくる箇所を瞬時に思い出すことができますか??
「20」や「25」と違って「15」は難しいと思います。

正解は、雇用保険法の高年齢雇用継続基本給付金のところで、「100分の15」という数字が出てきます。

高年齢雇用継続基本給付金というのは、極めてひらたく説明しますと、60歳以降に、60歳到達時点の賃金に比べて75%未満の賃金で働いている場合に、給付金として支給されるものです。(最長で60歳から65歳までの5年間支給されます。)
その支給額は細かいルールがあり、必ず15%の給付金がもらえるというわけではありませんが、60歳到達時点の賃金に比べて61%未満の賃金で働いている場合には、賃金額の15%が給付金として支給されます。

具体的な数字で説明すると、
例えば、賃金月額43万円(標準報酬月額44万円※3)だった人が、60歳以降、賃金月額21万円(標準報酬月額22万円)になったとします。この場合、明らかに61%未満にダウンしていますので、

21万円×15%=31,500円が、高年齢雇用継続基本給付金として、65歳まで支給されます。
※3 標準報酬月額の説明は、次回以降に。

一般的に、60歳を過ぎると賃金がダウンすることが多いので、少額ですが、高年齢雇用継続基本給付金という制度で、下がってしまった賃金のいくらかを補うという形になっています。

ただし、この制度には、労働者にとって迷惑な規定が連動されています。

厚生年金保険法の規定において、60歳~65歳までの間、老齢厚生年金を受給している者が、同時に高年齢雇用継続基本給付金を受給している場合は、標準報酬月額の6%(61%未満にダウンしている場合)が支給停止されてしまいます!
先ほどの例で言うと、
22万円×6%=13,200円が、支給停止されます。。。。

つまり、60歳になって賃金がダウンしてしまって勤労意欲が失せてしまわないように、高年齢雇用継続基本給付金を支給しているのに、いざ、高年齢雇用継続基本給付金を受給し始めると、6%がカットされるという、何とも不可解な制度になっています。

次のような会話が聞こえて来そうです。

労働者「60歳過ぎて、給料が大幅にダウンしたから、働く意欲がなくなりました。。。これからは、老齢厚生年金で暮らします。」
お役所「いや~~~まだ引退するのは早いですよ。高年齢雇用継続基本給付金という制度があるので、最大で賃金の15%を支給しますよ!」
労働者「え!そんな制度があるんですか? じゃあ、やっぱり働き続けます!」

しばらくして、

お役所「あれ?あなた、老齢厚生年金をもらいながら、高年齢雇用継続基本給付金も受給しているんですか?」
労働者「はい。」
お役所「そういう場合は、標準報酬月額の6%が支給停止になります。」
労働者「え~~~~~~?」
お役所「そういう決まりですから。」

という仕組みです。(記憶に残りましたか?)

つづく。