【社会保険労務士】
「 言葉には、消しゴムがない話 」



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こんにちは。今日は2月3日。先日、俳優の松方弘樹さんが亡くなられました。まだ、74歳と若く、1年前の元日にテレビ朝日で放送された「芸能人・格付けチェック」で元気な姿を見せていただけに、残念でなりません。火葬場まで参列した、50年来の親友である梅宮辰夫さんのコメントには涙が出ました。
松方さんと言えば、「仁義なき戦い」やテレビ時代劇の華麗な立ち回りが思い出されます。
時代劇を演じることができる俳優さんが減っていくことは本当に寂しい限りです。
とくに「仁義なき戦い」は、菅原文太さんや梅宮辰夫さん、小林旭さんらと共に演じた迫真の演技が、今も高い評価を受けています。今のVシネマとは比べものになりません。
「仁義なき戦い」の中で次のようなシーンがあります。神戸の明石組が、広島の組同士の抗争を利用して、広島の「しま」を取ろうとしてきたときの話です。

『あんたがここに居るのは、構わんがの。明石組の看板だけは、即刻、下ろしてくれ。』

『ちょっと待たんかい、わしは、明石組の若いもんや、わしがいてる所に本家の暖簾さげて、どこが悪いんや!』

『じゃったら、今すぐ義西会と手切るゆうて宣言してくれ。これらと組んで事務所開く言うのは、わしら広島のもんに対する内政干渉じゃ!』

『そんだら、死んだ岡島の落とし前、どうつけてくれるんじゃ、われ!』

『今のそっちの言葉、本家の答えとして、受け取っていいんかい?』

『わしは、明石組の岩井や。』

『ほ~、ほいじゃあ、言うとったるが、広島極道は、芋かもしれんが、
旅の風下にたったことは一遍もないんで。
神戸のもんいうたら、猫の子一匹通さんき、おどれら、よう覚えとけや!』

『ようし。 おんどれらも、吐いたツバ飲まんとけよ!
ええな。分かったら、早よいね!』

上記のシーンは、屈指の名シーンとして映画ファンに伝承されています。
べつに、やくざを美化しているわけではありません。ただ、画面から伝わる迫力が凄まじく、娯楽映画の傑作として、40年以上たった今でもまったく色褪せません。
松方さんや梅宮さんは、その後、バラエティ番組に多く出演し、素顔はお茶目なおじさんということから考えても、その卓越した演技力は素晴らしいの一言です。

なお、『吐いたツバ飲まんとけよ!』というセリフは、ビジネスなどのシーンでも感じるのですが、仕事等で熱くなったとしても、言葉には消しゴムがないので、発言は慎重にという深い意味があります。
読者のみなさまも、熱くなって、つい言ってしまったことで、取り返しがつかなくなったことが、1度くらいあるのではないでしょうか?

さて、人が亡くなると、保険料納付要件等を満たしていれば、その遺族には、遺族基礎年金遺族厚生年金が支給される場合があります。
この遺族基礎年金(国民年金法)と、遺族厚生年金(厚生年金保険法)は名前は似ているのですが、内容はかなり異なります。

自営業などの第1号被保険者が亡くなったときは、遺族基礎年金が発生するのですが、この遺族基礎年金を受け取ることができる遺族の範囲は、非常に狭いものになっています。
具体的には、被保険者の配偶者又は子であって、死亡の当時、その者によって生計を維持されていたものです。
さらに、配偶者には条件があって、原則として、18歳年度末以下の子のある配偶者でなければ、遺族基礎年金は受給できません。
つまり、子のない配偶者には支給されません。高校生以下の子どもと生活をともにしている母子家庭、父子家庭が対象です。
なお、遺族基礎年金の額は、母1人子1人の場合は、年間約100万円なので、これだけで生活するのは、厳しいと言えるでしょう。

一方、会社員などの第2号被保険者が亡くなったときは、遺族厚生年金が発生するのですが、この遺族厚生年金を受け取ることができる遺族の範囲は、少し広くなっています。
具体的には、被保険者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母であって、死亡の当時、その者によって生計を維持されていたものです。
妻以外の者には年齢要件がありますが、先ほどの遺族基礎年金に比べると、かなり幅広く受け皿を用意していると言えます。

妻を受給権者で考えると、遺族基礎年金は子どもが高校を卒業すると、その支給はストップしてしまいますが、遺族厚生年金は、30歳以上の妻であれば、再婚などをしなければ、一生涯受給できるという仕組みになっています。

なお、遺族厚生年金の額は、原則として、亡くなった夫の老齢厚生年金の額の4分の3に相当する額となります。厚生年金というのは、報酬に比例するものなので、先ほどの遺族基礎年金のように固定額ではなく、現役時代の報酬に比例する金額となります。

つづく。