【社会保険労務士】
「 業務上の傷病により治療中であっても、
休業しないで就労している場合? 」



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こんにちは。今日は9月22日。大相撲秋場所は、横綱や大関など人気力士のケガによる相次ぐ休場で、上位陣総崩れの展開となっています。照ノ富士は、今場所の途中休場により2場所連続の負け越しで大関陥落が決定し、先場所、大関に昇進したばかりの高安は、早くも来場所カド番となります。

そんな中でも、前頭の宇良の休場は、かなり残念なことです。現在の幕内力士の中で、最も華やかで魅せる相撲を取る力士だけに人気も高いのですが、宇良の特徴である粘りの相撲を取りすぎることで、無理な体制から土俵下に落ちることも多く、ひざのケガが絶えない状況です。
受け身を取る体制になっていないことが多く、このままの相撲では、常にケガと背中合わせの状況です。また、体重の増加に伴うヒザへの負担も深刻です。体重を増やせば良いというわけではないと思います。勝負には「負け方」というものがあり、粘ればよいというものではありません。

野球で例えると、デッドボールの避け方の上手い選手と下手な選手がいますが、名選手はいずれも、ケガをしないように、上手く避けていました。⚾
王、長嶋、落合、イチロー、などの選手はいずれも、ケガをせず、毎年コンスタントな成績を挙げていました。(イチローは、まだ現役ですが)
昔、阪神に田淵選手というホームランバッターがいました。通算474本の本塁打を打った名選手でしたが、デッドボールに弱く、毎年のようにケガをしていました。ケガさえしなければ、同期入団の広島の山本浩二選手の536本塁打を軽く抜く成績を収めたことでしょう。

ところで、このような大相撲の休場者増加の諸悪の根源は、2004年に「公傷制度」が廃止されたことにあります。
「公傷制度」があったころは、ケガをしても、診断書を提出し認定されれば、全休しても翌場所も同じ番付に留まることができたので、きちんとケガの治療ができたのですが、ごく一部の力士が、「公傷制度」を意図的に悪用したがために、制度そのものが廃止になったという経緯があります。
それゆえ、ケガをした力士は、治療に専念できず、本場所を迎えることになり、体のあちこちがサポーターだらけという有り様です。


相撲は年6場所も本場所(15日間×6場所)があり、場所と場所との間隔は、約6週間です。📅
たった6週間で、ケガが治るはずはなく、番付を落としたくないので、ケガの治療中でも出場せざるを得ないという悪循環が続いています。土俵上のケガによる負傷休場の場合は、「公傷制度」を復活して、ケガが治るまでは番付を保障するなど、何らかの改革が必要だと思います。

さて、業務上のケガについて、少し面白い問題が、今年の本試験に出題されました。

『 使用者は、労働者が業務上の傷病により治療中であっても、休業しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。』🏥
○か×か、分かりますか?
🕙
🕓
🕖
正解は、実は、○です。

少し解説してみます。
そもそも労働基準法第19条とは??
今月から学習を始めた方々も、労働基準法の比較的最初の方で学習する箇所です。
労働基準法第19条とは、次のようなものです。
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が法65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。

これをものすご~~~~く、ひらたく説明すると、(#^.^#)
「労働者が業務上、ケガをした場合に、その療養のために休んでいる期間、及び、労働に復帰後30日間は、解雇してはいけませんよ。」という意味です。

さて、問題文に戻ってみると、
「労働者が業務上の傷病により治療中であっても、休業しないで就労している場合は、」
とあります。
つまり、この労働者は、ケガをしているのに、会社を休まないで、まじめに就労しているわけです。何と健気な労働者なのでしょうか?!

しかし、休業せず就労しているということは、労働基準法第19条には当てはまらず、この労働者を解雇することも可能となってしまうのです。Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
(実務では、労働者を簡単に解雇することはできませんが。。。)

何とも皮肉な結果なのですが、これが法律というものです。ですので、読者の皆様も、万が一、業務上ケガをした場合は、無理しないで休業することをお勧めします。

最後にもう1問、ケガの話題で次のような問題も出題されました。

『 企業に所属して、労働契約に基づき労働者として野球を行う者が、企業の代表選手として実業団野球大会に出場するのに備え、事業主が定めた練習計画以外の自主的な運動をしていた際に負傷した場合、業務上として取り扱われる。』

○か×か、分かりますか?
🕙
🕓
🕖
正解は、実は、✖です。
この場合は、労働者が自らの意思で行った自主練習なので、労働契約に基づく練習には該当せず、業務上とは取り扱いません。
読者の皆様の中で、会社に所属しながらスポーツをしている人は、自主練習のときは、上記の取り扱いを覚えておきましょう!🏂


つづく。