【司法試験】過去問の勉強④

2016.6.6


 今回は「過去問の勉強方法4」として、出題趣旨・採点実感の読み方についてお伝えします。

 出題趣旨・採点実感からは、「その問題で何を書くべきであったか」のほか、「その科目では何に気をつけるべきか」を学ぶことができます。後者はなかなか意識されないところですが、自分の受験する本試験に直結するものといえます。出題趣旨・採点実感を読む際には、汎用性のある内容を読み取るよう意識してみましょう。

 以下、具体例として、平成27年度司法試験・憲法の出題趣旨を取り上げます。

1 その問題自体に関する記述

本年の問題の一つは平等である。…もう一つの問題は,表現の自由である。

 ⇒ 平成27年度司法試験・憲法において、14条1項と21条1項の検討が求められていたことがわかります。

2 汎用性のある記述

・平等違反に関する判断枠組み
・表現の自由の制約に関する判断枠組み
・一定の判断枠組みを用いる場合には,学説・判例上で議論されている当該判断枠組みがどのような内容であるかを…

 ⇒ 出題趣旨においては、「違憲審査基準」という用語は使われず、「判断枠組み」という言葉が使われていることがわかります。自分の答案作成において、参考にすることができます。

平等が問題となる具体的事例においては,何が「同じ」で,何が「違う」のかを見分けることが議論の出発点となる

 ⇒ 14条1項を検討する際、何から始めるべきかがわかります。AとBの差別に関する出題された場合、「AとBを別異に扱うことは、14条1項に反しないか」と雑に問題提起するのではなく、「AとBは~の点で同じであるにもかかわらず、別異の取扱いを受けている。そこで、この別異取扱いが、14条1項に反しないかが問題となる」と問題提起すべきといえるでしょう。

3 その問題自体に関する記述⇒汎用性のある内容

意見・評価を述べること自体が直接制約されているものではないことを踏まえつつ,「意見・評価を甲市シンポジウムで述べたこと」が正式採用されなかった理由の一つであることについて,どのような意味で表現の自由の問題となるのかを論じる必要がある。

 ⇒ 平成27年度司法試験・憲法において、表現の自由を検討する際、ある程度の分量を割いて制約態様を論じなければならなかったことがわかります。
 ⇒ 自由権の検討において、制約態様(直接/間接、事前/事後など)に充分に気を配らなければならないことを学ぶことができます。