【司法試験】勉強日誌~合格までの道のり~

 


2016.10.17

 

今回は、論文(憲法)の勉強方法(各論)についてご紹介します!


憲法は勉強時間に比例して点数が伸びる科目ではありません。しかし、憲法は優秀答案を読み込み、処理手順を確立することで、「落ちない答案」を安定して書くことができる科目だと思います。処理手順を確立するためにある程度時間をかけることで、漫然と憲法を勉強している受験生と差をつけることができると思います。


1 使用教材

・判例から考える憲法

高度な内容を扱うので、ここに記載されている内容を全て吸収するというスタンスではなく、自分でも答案に表現できそうな内容を吸収するというスタンスで読み進めるとよいと思います。問題の解説部分では、判例の考え方をベースに訴訟当事者の主張を組み立ててくれます。

・過去問

・予備校の答練

・憲法学読本(人権部分のみ)

とても分かり易い文章で書かれています。通読にあまり時間がかからないと思います。

・判例集は使用せず

短答過去問の解説部分に判旨が掲載されており、その部分を読めば足りると思います。受験生の中には判例百選の解説部分まで読み込んでいる人もいると思いますが、合格答案を書く上で必須ではないと思います。

・オリジナルのまとめノート

優秀答案を読み込み、憲法の答案を書く際の注意事項や答案の型をまとめました。



2 勉強方法

知識のインプットより、答案の型を身につけることが重要です。あとはその型に従って、自分の想像を膨らませて思いついたことを書きますが、その際、判例の言い回しを部分的に使うとよいと思います。短答の過去問演習をする中で、選択肢と解説部分を読むことで何回も判例の言い回しに触れると思います。短答の演習に際して、論文答案で使えそうなフレーズをストックしておくことで、答案上に判例の言い回しを表現できるようになると思います。

事前準備が奏功する部分もあります。例えば、審査基準を厳格にする要素と緩和する要素は、事前に知識としてストックしておくと良いと思います。審査基準を厳格にする要素として「表現内容規制」「事前規制」、審査基準を緩和する要素として「表現内容中立規制」「立法裁量」「段階的規制」等です。



3 解き方

司法試験の問題では、原告の主張・被告の反論・私見の順に論じることが求められます。いざ答案を書くとなると、原告の主張を書きすぎてしまい、最も配点の大きい私見部分の記述が薄くなってしまいがちです。そのため、原告の主張を書き過ぎないように注意する必要があります。過去の優秀答案を見て、原告の主張の省略方法を「自分で」見つけると良いと思います。「自分で」見つけることで、より身に付くと思います。被告の反論は配点が低いと考えられるので、ポイントだけ指摘すれば足り、答案では1頁書くだけで良いと思います。私見部分では、「できるだけ」原告の主張・被告の反論を踏まえたプラスαの内容を書くとよいです。「できるだけ」としたのは、プラスαを書くことがとても難しいからです。原告の主張・被告の反論を要約して繰り返した上で、新しい内容を2文か3文書けば十分だと思います。この新しい内容として、被告の反論が妥当する・しないことの理由を書くと、議論がかみ合っている印象を与えられると思います。普段の勉強では、1つの問題について主張→反論→再反論を組み立てる練習をし、答案では私見部分に再反論を書くイメージです。

答案の型について、簡単にいうと、「どれくらい重要な権利・自由が、どれくらい制約されているか」を論じることを意識するとよいと思います。答案では、①憲法上の権利として保障されるのか(保護範囲論証とする)、②その権利は制約されているのか、③制約が許容されるか否かを判断するための審査基準はどうするか(審査基準論証とする)、④審査基準に対するあてはめ、の順に書くことになると思います。原告であれば、「重要な権利に対する強度の制限があることから厳格な審査基準を定立し、具体的事情を用いて違憲と主張する」のに対し、被告であれば、「それほど重要でない権利であることや制限態様が弱いことを述べ、原告主張の審査基準を緩和すべきと主張する」ことが多いです。

保護範囲論証、審査基準論証のところで、一言でもよいので、事案の特殊性に触れることが大切だと思います。例えば、表現の自由に関する問題では、ネットによる表現の自由の重要性、集団行進による表現の自由の重要性などを書きます。表現の自由の重要性について、一般論を示した上で、「ネットによる表現は、個人が容易に情報を発信できる重要な表現手段として尊重すべきであるから、本件での表現の自由は特に重要」と述べることで、事案の特殊性に触れたことになります。予備校答案が批判されるのは、「自己実現」などの抽象的文言・マジックワードを使っただけの答案が多いからだと思われます。こうした用語を用いた上で、答案上でそれを具体化すれば、何の問題もない上、むしろ点数がつくと考えられます。

  例:ダメな例「表現の自由は、自己実現・自己統治の価値を有する重要な人権である」

    良い例「表現の自由は、自己実現・自己統治の価値を有する重要な人権である。

        特に、本件では、~という自己の思想を外部に発表し、他人と意見交換をすることで、人格形成に資する。そのため、~という表現の自由は、特に重要である」


定立した審査基準に対するあてはめについては、自分の想像力を発揮して具体的に書くと良いと思います。過去問では、具体的な法令の条文が掲載されていることがあり、それらの条文を取り上げて、自分が考えたことを具体的に表現することが大切だと思います。



以上、説明が長くなってしまいましたが、少しでも参考になればと思います。



次回は、ロースクールの講義の予習・復習についてご紹介します!

ロースクールでの勉強への取組み方に悩んでいる方は、是非ご参考なさってください!