【司法書士】試験科目について知ろう!


桜も散り,新緑が春の息吹を感じさせる季節となりました。気温も上がり,学習しやすい時期です。もっとも,寒暖の差が激しい日もありますので,体調には十分にご留意ください。今回は,司法書士試験のうち,試験科目を中心にご紹介してまいります。

1 筆記試験

<午前の部の試験>

① 憲法(難易度 ★★★☆☆)(出題問題数 35問中3問)
平均正解率が90%前後の比較的易しい問題が出題される一方,同40%程度の難しい問題が出題されるなど,難易度は,出題年度,問題によって異なります。

② 民法(難易度 ★★★★★)(出題問題数 35問中20問)
20問の内訳は,総則から3問,物権4問,担保物権5問,債権4問,親族相続4問です。
主要4科目(民法,商法,不動産登記法,商業登記法,以下同じ。)の筆頭で,司法書士試験でも最も難しい科目です。しかし,受験生はそれを承知でこの科目については入念に受験準備をするので,難易度の割に正解率が高くなる傾向があります。
司法書士の実務である不動産登記の理解に必要な物権,担保物権および親族相続の分野からの出題が多く,かつ,この分野の問題も難易度が高いのが特徴です。また,近年改正予定の債権からの出題も難化傾向にあるとの指摘もあります。

③ 刑法(難易度 ★★★★☆)(出題問題数 35問中3問)
 マイナー科目(刑法,民事訴訟関係,供託・司法書士法,以下同じ。)であり,また,出題問題数の割に学習内容が多いため,苦手意識を持つ受験生が多いようです。そのため,実際の難易度より難しく感じがちな科目であるといえましょう。

④ 商法(会社法その他の商法分野に関する法令を含む。)
(難易度 ★★★★★)(出題問題数 35問中9問)
主要4科目の1つです。また,司法書士の実務の中心の1つである商業登記を理解する上で欠かせない実体法上の科目であるため,難易度も高い科目です。なお,受験生が苦手な商法総則・商行為法からもほぼ毎年1問出題される傾向がみられます。

<午後の部の試験>

① 不動産登記法(難易度 ★★★★★)(出題問題数 35問中16問)
 主要4科目の1つです。また,司法書士の実務の中心の1つである不動産登記そのものの出題であり,難易度も高い科目です。しかし,受験生はそれを承知でこの科目については入念に受験準備をするので,難易度の割に正解率が高くなる傾向があります。

② 商業登記法(難易度 ★★★★★)(出題問題数 35問中8問)
主要4科目の1つです。また,司法書士の実務の中心の1つである商業登記そのものの出題であり,難易度も高い科目です。主要4科目の1つでありながら,苦手意識を持つ受験生,あるいは民法・不動産登記に比べ学習準備が足りない受験生が多いので,実際の難易度より難しく感じがちな科目です。

③ 供託法・司法書士法(難易度 ★★★☆☆)(出題問題数 35問中4問)
マイナー科目でありますが,過去の本試験から繰り返し出題されるので,比較的得点し易い科目です。もっとも,供託法については,出題年度により非常に難しい問題が出題されることがあります。

④ 民事訴訟法,民事執行法,民事保全法(難易度 ★★★★☆)(出題問題数 35問中7問)
マイナー科目であり,刑法と同様,出題問題数の割に学習内容が多いため,苦手意識を持つ受験生が多いようです。そのため,実際の難易度より難しく感じがちな科目であるといえましょう。なお,難易度が出題年度によって大きく変わる科目でもあります。

⑤ 不動産登記法記述式(難易度 ★★★☆☆~★★★★★)(出題問題数 2問中1問)
 登記の申請書の作成等,司法書士の実務そのものが問われます。実体法である民法と手続法である不動産登記法の正確な理解なしには解答できません。また,記述式試験ですので,ある程度,自らの手で書くという訓練が必要です。難易度が出題年度によって大きく変わります。

⑥ 商業登記法記述式(難易度 ★★★☆☆~★★★★★)(出題問題数 2問中1問)
 不動産登記記述式と同様,登記の申請書の作成等,司法書士の実務そのものが問われます。実体法である会社法と手続法である商業登記法の正確な理解なしには解答できません。また,記述式試験ですので,ある程度,自らの手で書くという訓練が必要です。難易度が出題年度によって大きく変わります。

2 口述試験(難易度 ★★★☆☆)
筆記試験がいわば落とすための試験であることに比べ,受験生の本人確認と司法書士業務をするための会話能力について確認するための試験であるといわれています。筆記試験合格後,準備すれば足ります。準備に当たっては,過去の口述試験を会話形式で受け応ええできるようにしておくことと司法書士法の条文をよく読んでおけばよいでしょう。

3 学習時間
 司法書士試験にあっては,何時間学習すれば合格できるという目安はありません。しいて申し上げるとすると,ひととおり各科目を学習した後は,出題数に応じて学習時間の配分をするのがよいと思います(例えば,主要4科目中心になど)。