【司法書士】仕事について知ろう!


まず,このたびの熊本地震で被災された方々,特に司法書士試験の受験をお考えの方に対しましては,心よりお見舞い申し上げます。

 桜も散り,若葉や新芽がまばゆい季節となりました。春は雨が多いですね。
 早速ですが,今回は,司法書士試験合格その後のこと,司法書士の仕事の内容および就職についてご紹介してまいります。

1 司法書士試験合格その後

(1) 司法書士試験最終合格
 すでにご存知のことと思いますが,筆記試験合格後,口述試験に合格すると,司法書士試験最終合格者となります。官報,各地の法務局または地方法務局に最終合格者の受験番号および氏名が掲示されるほか,法務省のHPに最終合格者の受験番号が掲載されます。

(2) 合格証書の授与
 司法書士試験の最終合格者に対し,合格証書が授与されます。

(3) 各種研修の履修
 司法書士は,法律上は事務所所在地の司法書士会(単位会,東京司法書士会など)に入会し,司法書士会を経由して,日本司法書士会連合会に備える司法書士名簿に登録の申請を行い,登録されるとすぐに開業できることとされています。
しかし,実務経験が全くない状態での開業は,決して望ましいものとはいえません。
そこで,各司法書士会や日本司法書士会連合会等は,司法書士試験合格者を対象に司法書士の業務についての研修を実施し,実質的な登録要件にしています。

(4) 配属修習
 (3)のほか,司法書士の実務経験を積みたい合格者に対し,司法書士会の紹介によって,特定の司法書士事務所に実務修習生として配属される配属修習という制度があります(3か月程度)。

2 司法書士の仕事の内容
 司法書士の具体的な仕事の内容は,次のとおりです(司法書士法3条1項各号)。
① 登記または供託に関する手続について代理すること。
 不動産登記や商業登記,最近では債権譲渡登記につき,申請人を代理して登記を申請する司法書士の中核となる業務です。登記申請書の作成のほか,添付書面の作成・収集などを手がけます。
② 法務局または地方法務局に提出し,または提供する書類または電磁的記録を作成すること。
③ 法務局または地方法務局の長に対する登記または供託に関する審査請求の手続について代理すること。
④ 裁判所もしくは検察庁に提出する書類,または筆界特定の手続において法務局もしくは地方法務局に提出し,もしくは提供する書類もしくは電磁的記録を作成すること。
 最近では,成年後見等の申立ておよび成年後見人等として,主に被後見人等の財産管理の業務を行う成年後見業務が司法書士の業務の主力となりつつあります。
⑤ 上記①~④の事務について相談に応ずること。
⑥ 簡易訴訟代理関係業務
 ただし,⑥については,司法書士試験合格後,法務省令で定める法人が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程(特別研修)を修了し,考査(筆記試験)に合格しなければ,これを行うことができません。
 具体的な業務としては,簡易裁判所で取り扱う訴額140万円以下の事件につき,本人の委任を受けて,代理人として和解,民事訴訟の提起,支払督促等を行います。少し前までは,過払い金返還請求(和解,訴訟)が,有名な仕事でした。

3 就職について
 司法書士の資格は,独立開業を予定した資格ですが,就職という選択肢もあります。
一番多いのは,将来の開業を見据えて,実務経験を積むべく,司法書士として,あるいは,補助者として司法書士事務所への就職することでしょう。求人情報は,各単位会で取りまとめてある場合もあれば,一般求人情報誌などに掲載されていることもあります。ただ,常時求人がある事務所は,大手の事務所が多く,仕事も細分化されており,司法書士の実務全般を学ぶのには向かない場合があります。その点,小さな事務所の方が,接客や電話対応,登記申請書,添付書面等の作成,登記の申請や請求書の作成に至るまで,司法書士業務全般を学ぶことができる利点があります。
 この他,学生時代に資格を取得された方は,あえて独立開業をせずに,一般企業(司法書士の仕事と密接に関係する不動産業や銀行など)に就職し,何年間か働き,開業資金を貯めつつ,また,人脈を築いてから独立開業をする方もいます。
 また,独立開業をせずに,一般企業に就職し,企業の総務部や法務部に属し,企業内司法書士としての道を選択される方もいます。企業内司法書士については,横断的な団体があるようです。